【これからの見通し】トランプ関税発言でリスク回避の動き広がる、流動的な話題に振り回される 昨日のNY市場では、リスク回避のドル買い・円買いが強まった。トランプ大統領がメキシコとカナダ、そして中国への10%の追加関税を3月4日に発動する、と表明したことが市場にネガティブサプライズ反応を広げた。4月の関税発効との見方がいきなり3月となったことが驚きだった。4月2日の相互関税については引き続き有効とも述べていた。 気分屋のトランプ氏の発言で市場は今後も振り回されることとなろう。今後の交渉次第では関税発効が延期・猶予される可能性もあり、市場はどちらの方向にも備える必要がありそうだ。投機筋のポジション保有期間がより短期化することが想定されよう。最近のマーケットは各市場の朝・昼・夕方といった短期的なインターバルで方向性が変化することが多くなっており、ポジション管理にはより一層の注意が必要となる。足元ではリスク回避の動きに揺り戻しが入っているが、ロンドン市場ではどのような値動きから始まるのだろうか。 この後の海外市場で発表される経済指標は月末とあって数が多い。このあとの欧州・ロンドン市場では、ドイツ小売売上高(1月)、フランス実質GDP(確報値)(2024年 第4四半期)、フランス消費支出(1月)、フランス消費者物価指数(速報)(2月)、ドイツ雇用統計(2月)、英ネーションワイド住宅価格指数(2月)、スイス小売売上高(1月)、KOFスイス先行指数(2月)、ドイツ消費者物価指数(速報)(2月)などが発表される。新興国ではトルコ実質GDP(2024年 第4四半期)、トルコ雇用統計(1月)、インド実質GDP(2024年 第4四半期)、南アフリカ貿易収支(1月)などが発表される。 北米市場では、カナダ実質GDP(2024年 第4四半期と12月)、米個人所得・支出(1月)、米PCEデフレータ(1月)、米卸売在庫(速報値)(1月)、米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(2月)などが発表される。PCEデフレータは前年比+2.5%、コア前年比+2.6%といずれも前回から伸びが鈍化することが見込まれている。 発言イベント関連では、ラムスデン英中銀副総裁の講演が予定されている。きょうはトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が会談をおこない鉱物協定に署名する予定になっている。再びトランプ氏の発言に注目が集まりそうだ。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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