NY原油市況=続落、期近ベースで一時4年振りの60ドル台割れ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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ニューヨーク原油(NYMEX)
              始 値     高 値   安 値  帳入値   前日比
  2025/05     61.12      63.90      58.95      60.70      - 1.29
  2025/06     60.89      63.53      58.71      60.44      - 1.21
  2025/07     60.49      63.11      58.46      60.16      - 1.10
  推定出来高        前日出来高      前日取組高(前々日比)
     未入電            1,893,709             1,898,598 (+ 49,420)
                   帳入値  前日比
ヒーティングオイル  2025/05     206.99    - 1.20
                   2025/06     202.62    - 1.80
改質ガソリン        2025/05     202.01    - 3.44
                   2025/06     201.00    - 3.61

注:4本値は立会い取引終了までの値段で、立会い取引終了後の電子取引の値段は含み
  ません。電子取引が立会い取引までの高値および安値を更新した場合、相場表の高
  値および安値と市況内の相場表の4本値は異なります。
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 ニューヨーク原油は続落。終値の前営業日比は、期近2限月が1.29〜1.21ド
ル安、その他の限月は1.10〜0.15ドル安。中心限月の5月限は1.29ドル安
の60.70ドル。
 週明けも4日の暴落の余波が続き安値を更新した。2日の米国の相互関税発表以降、
パニック的に世界同時株安となるなか、原油も相場水準が崩落しているが、5月限はこ
の日一時60ドル台を割り込み、期近のつなぎ足ベースで2021年4月以来、ちょう
ど4年振りの60ドル台割れとなった。
 ダウ平均株価がさらに続落したことや、ドルインデックスが上昇して再びドル高に振
れたことも圧迫要因となった。
 5月限はボラティリティーの上昇で荒い値動きとなった。週明けのアジアの時間帯の
時間外取引では、ギャップを開いて急落寄りして一気に60ドル台を割り込んで始ま
り、朝方は59ドル台後半で推移した。その後60ドル台を回復したものの、欧州の時
間帯の前半には再び60ドル台を割り込み、安値は58.95ドルまであった。ただそ
の後は持ち直して、米国の時間帯の前半に一時的に63.90ドルまで急騰する場面も
あった。しかしこれは「トランプ政権が中国以外の国に90日間の関税適用を猶予する
ことを検討中」との誤った情報が流れたことによるもので、米政権が否定したことで再
び60ドル台前半まで急落した。その後は60ドル台後半〜61ドル台前半を中心とし
た広めのもみ合いが引けまで続いた。

 米大手金融機関、バンク・オブ・アメリカは、これまで2025年のブレント原油の
平均価格予想を70ドルとしてきたが、最新のリポートで、「今後の需給見通しが日量
100万バレル悪化すれば、ブレント原油は今後数週間のうちに50ドルへ向けてさら
に下落する可能性がある」としている。

 ロシアの大統領府のべスコフ報道官はこの日、50ドルの節目に近付いているウラル
原油の価格を注意深く見守っているとタス通信に語った。
 ウラル原油は4日現在、バルト海のプリモルスク港渡し(FOB)で52.76ドル
まで急落している。
 なお、2025年のロシアの国家予算は70ドルの原油収入を前提に組まれており、
原油価格の急落は同国経済に大きなダメージを与えることになる。
 また、3日のロシア財務省の発表では、すでに3月の同国の原油、ガスの収入は前年
同月比17%減の1兆0800ルーブル(約128憶ドル)まで落ち込んでいる。

 改質ガソリン、ヒーティングオイルともに続落。原油がさらに崩れて底割れしたこと
に圧迫された。とくにガソリンの下げ幅が大きくなった。
今日の材料
・「トランプ政権が中国以外の国に90日間の関税適用を猶予することを検討中」との
 誤った情報で、一時的に5月限が63.90ドルまで一時急騰。しかしトランプ政権
 が否定してすぐに「往って来い」の急反落。
・ブレント原油が今後数週間で50ドルへ向けて下落する可能性=バンク・オブ・アメ
 リカ。
・50ドル近辺まで急落しているウラル原油の価格動向を注視=ロシア政府。

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