【来週の注目材料】各国景況感悪化目立つ、トランプ関税の影響か=欧州、英国、米国PMI

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【来週の注目材料】各国景況感悪化目立つ、トランプ関税の影響か=欧州、英国、米国PMI

 今週23日に4月ユーロ圏及び加盟主要国、英、米の購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表されます。

 このところの世界の関心事であるトランプ関税。鉄鋼・アルミニウム関税が3月、自動車関税が4月に発動。相互関税については中国を除いて90日間の発動猶予中となっていますが、今後の発動に向けて先行き警戒感が高まる状況となっています。これらのトランプ関税を受けた影響が徐々に広がる中、各国の景況感の悪化が見られます。

 23日の一連のPMIは、まず16時15分にフランスの製造業、サービス業のPMIが発表されます。製造業PMIの予想は47.7、サービス業PMIは47.5と、3月の48.5及び47.9からともに悪化の見込み。また、好悪判断の境となる50も下回る弱い結果が見込まれています。16時半に発表されるドイツ製造業PMIは47.6,サービス業PMIは50.3と、こちらも3月の48.3及び50.9から悪化見込みです。これらを受けて17時のユーロ圏製造業PMIは47.5、サービス業PMIは50.5と、3月の48.6及び51.0から悪化見込みとなっています。

 17時半の英製造業PMIは44.0、サービス業は51.5と、こちらも44.9及び52.5から悪化見込みです。英製造業PMIはもともとかなり弱いですが、さらに悪化の見込みです。

 最後に22時45分の米製造業PMIは49.3、サービス業PMIは53.0と、ともに50.2及び54.4から悪化見込みです。

 アンケート調査を基にしたPMIは速報性が高く、マーケットへの影響も大きな指標です。良くなったり悪くなったりはありますが、ユーロ圏及び加盟主要国、英、米いずれも製造業、サービス業ともに悪化という状況はかなりの弱さという印象です。直近発表された米雇用統計での非農業部門雇用者の高い伸びやユーロ圏小売売上高の予想を超える伸びなどが見られる中での、こうした悪化は、トランプ関税の影響を意識させるものとなっています。

 元々弱い予想をさらに超える悪化が見られるようだと、先行き不透明感への警戒がさらに強まります。リスク警戒の円買いに加え、米国売りの動きからのドル安の可能性に注意したいところです。

 経済指標以外では、トランプ関税に絡んでの米国および各国要人発言が注目されます。

 今週はIMF(国際通貨基金)及び世界銀行の春季会合が21日から26日まで米ワシントンD.C.で開催され、各国の財務大臣や中銀総裁が集まります。
この機会を利用して加藤財務相とベッセント米財務長官の会談も計画されています。現状では22日が最有力と一部で報じられました。
 
 この日米財務相会合では赤沢再生相とトランプ大統領、ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリアUSTR(米通商代表部)代表との協議では見送られた為替についての協議がある可能性があります。基本的には円安是正への圧力が見込まれるところで、為替が議題になった場合ドル安円高材料となります。

 また、この春季会合を受けて各国中銀総裁の講演が多く予定されているほか、G7財務相・中央銀行総裁会議やG20財務相・中央銀行総裁会議なども予定されています。
G7やG20では関税問題の議論が注目を集めそうです。米国は強硬姿勢を崩さないとみられますが、自動車関税などについて譲歩に向けた姿勢が見られるようだと、ドル高が進む可能性がある点に注意したいところです。

MINKABUPRESS 山岡

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。