株価指数先物【引け後】 3万5000円固めの動きからカバーが強まる可能性

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 34920 +640 (+1.86%)
TOPIX先物 2586.0 +49.5 (+1.95%)

 日経225先物(6月限)は前日比640円高の3万4920円で取引を終了。寄り付きは3万5180円とシカゴ日経平均先物清算値(3万4845円)を大きく上回り、4月10日以来となる3万5000円を回復して始まった。ショートカバーが強まり、直後に3万5400円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は利益確定に伴うロング解消も入り3万4710円まで上げ幅を縮めたが、後場は3万4800円~3万5000円処でレンジ推移を継続。

 日経225先物は、ベッセント米財務長官の発言をきっかけとした米国市場の上昇に加え、トランプ大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長について「解任するつもりはない」と前言を撤回したことが伝わり、ギャップアップで始まった。ただし、節目の3万5000円回復でいったんは利食いが入りやすかったほか、朝方に1ドル=143円台に乗せた円相場は141円後半と円安が一服したことで、買い一巡後は膠着感の強い相場展開だった。

 トランプ大統領の発言に翻弄されやすい状況ではあるが、グローベックスのNYダウ先物は610ドル、ナスダック100先物が430ポイントほど上昇して推移していることで、日経225先物はナイトセッションで再び3万5000円を上回って推移。25日移動平均線が3万4980円に下がってきたため、同線を上回って終えるようだと改めてショートカバーを誘う可能性があろう。

 国内の企業決算の発表が本格化してくるほか、ゴールデンウイークに入ってくるため、積極的にはポジションを傾けにくい状況になる。ロングに傾いているポジションは限られる一方で、ショートに傾いているとみられ、ポジションをニュートラルに近づけてくる可能性がある。25日線水準での底堅さが意識されてくると、カバーの動きを強めてきそうだ。

 引け後に決算を発表したファナック<6954>[東証P]の2025年3月期決算は、計画を上回っての着地だった。26年3月期の見通しは、合理的な算定は困難として非開示とした。自社株取得と消却を発表したこともあり、PTS(私設取引)で上昇している。米関税の影響の見極めなどを理由にして、今期計画を非開示とする企業は今後も表れる可能性があろう。

 日経225先物は週足のボリンジャーバンドの-1σ(3万4860円)を上回ってきており、同水準が支持線として機能するかが注目される。そのため、3万5000円を中心としたオプション権利行使価格の3万4875円から3万5375円辺りのレンジを想定する。3万5000円を上回って推移するようだと、3万5000円から3万5500円のレンジに移行しよう。

 NT倍率は先物中心限月で13.50倍に低下。一時13.57倍まで上昇し25日線(13.54倍)を上回る場面もみられたが、その後は同線を下回っての推移を継続。25日線が抵抗線に変わるなかで、NTショートに振れやすくなった。

 手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7937枚、ソシエテジェネラル証券が1万4891枚、サスケハナ・ホンコンが5052枚、バークレイズ証券が3216枚、ゴールドマン証券が2574枚、JPモルガン証券が2507枚、野村証券が2004枚、SBI証券が1875枚、モルガンMUFG証券が1612枚、日産証券が1454枚だった。

 TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4388枚、ソシエテジェネラル証券が2万3300枚、ゴールドマン証券が6178枚、バークレイズ証券が5171枚、JPモルガン証券が4537枚、モルガンMUFG証券が4287枚、サスケハナ・ホンコンが3390枚、ビーオブエー証券が2358枚、シティグループ証券が2054枚、BNPパリバ証券が1626枚だった。

株探ニュース

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