<金> NY金6月限は22日にかけて上値を追う足取りとなり3509.9ドルの一代高値 を付けた。翌23日に大きく値を落とし、一時3270.8ドルまで下落したが、24 日に持ち直して3300ドル台を回復となり、大きく高下する足取りが続いている。 金市場は米トランプ政権による関税政策や米国内の政策、米トランプ大統領の発言を 手掛かりにして高下している。22日にかけて大きく上昇しながらもその後、急落に転 じたのは、米連邦準備理事会(FRB)に対し利下げを要求すると同時に17日にパウ エルFRB議長は一刻も早く解任すべき、とSNSに投稿したことでパウエルFRB議 長の解任リスクが高まりながらも、その後、同議長の解任について否定したことが一因 となった。 これに続いて米トランプ大統領が145%に設定すると発表した中国からの輸入関税 を大幅に引き下げる可能性が浮上したことを受け、米中貿易戦争に対する警戒感が後退 したことが転売を呼んでいる。 トランプ政権は関税などの政策を発表し、米債券や株式市場、通貨に大きな影響を与 えると発表した政策を修正する動きを繰り返しているが、これは米国発の資産に対する 信頼性の低下を促している。そのため、金市場も大きく高下する場面が見られたとして も安全資産を求める資金が根強く流入し、結果として史上最高値を更新したり、史上最 高値近辺での高下が続く状態となっている。 現在、関心を集めているのが米中協議が開始されるのか、開始された場合にどのよう な合意が交わされるのかという点だが、トランプ政権の二転三転する政策や、既に引き 上げられている米国の輸入関税を受けて米国内の物価上昇やこれを受けたスタグフレー ション発生懸念がくすぶると見られる環境下、NY金は引き続き3300ドル台を維持 する底固い足取りが想定される。 <銀> NY銀5月限は4月7日に2754.5セントまで値を落とした後は上値を値を戻す 動きが続いていたが、3300セント台を回復すると伸び悩みに転じている。 NY金が大きく高下する動きを見せたことが上値抑制要因となっているが、同時に安 全資産としての役割の弱さも重石になっている。 ドル離れの動きやNY金の底固い足取りに下値を支えられると予想されるものの、買 い支援要因に乏しいだけに3300セント前後でのもちあいが想定される。 <白金> NY白金7月限は今月16日にかけて浮上した後は頭打ちとなり990ドルを上値抵 抗線にしての高下にとどまっている。 NY金が安全資産としての需要に支えられる足取りが想定されることが下支え要因と なるものの、米国の自動車輸入関税引き上げを受けた自動車用触媒需要の見通し不安が 引き続き上値を抑制しそうだ。 一方でドル離れの動きも強気材料となるだけに底意も強く、960ドルを下値支持線 にしての往来が続くと見られるところ。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は今月16日に987.50ドルまで浮上した後に軟化に転じ 22日、23日には920ドル台で推移する場面も見られた。その後、浮上に転じてい るものの、21日の下落幅を相殺するにはいたっていない。 上値の重さを窺わせる足取りだが、独自の買い支援要因に欠けるだけに上値は重く 950ドルを前後するもちあいへのシフトが想定される。 MINKABU PRESS
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