ゴム週間展望=売り優勢、25年4月限納会が先安観を強める

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [4月28日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         4月21日〜4月25日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 25年9月限       290.8      295.0(22)    281.0(23)    289.1    -  1.8
 RSS先限      293.0      293.0(21)    288.0(22)     293.0        0.0
 TSR20    239.0      241.0(25)    232.0(22)    241.0     +  3.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 143.52円  前週末比 1.18 円安
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【前週までのレビュー】トランプ米大統領の言動に対する警戒感やトランプ関税による
景気減速懸念が完全に払しょくされることはなく、反発があっても戻りは叩かれると予
想した。
【戻り売り優勢か】
 日本時間の23日早朝(米22日)、ベッセント米財務長官が米中間の貿易戦争は持
続可能ではないとし、貿易摩擦が緩和されるとの見通しを示した。また、米トランプ大
統領はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を否定した。トランプ米政
権から、対中関係やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長など、これまで緊張
感の高まっていた事案について融和的な発言が相次いだ。この背景には、米株安・ドル
安・米債安(利回りは上昇)の「トリプル安」を懸念したことがあるのだろう。
 これを受けて、米株は急騰し、ドル高・米債高(利回りは低下)となった。ゴム相場
も、下げ渋りをみせた。ただ、米トランプ政権が、対中貿易戦争の落としどころを見つ
けたわけではない。来年の中間選挙を控えて、抜いた刀を簡単には鞘に収めはしないだ
ろう。当面、トランプ米大統領の言動に対する警戒感やトランプ関税による景気減速懸
念が払しょくされることない。このため、JPXゴムRSS3号は、現在、安値圏での
もみ合いとなっているが、自律反発からレンジから上放れたとしても、戻りは叩かれる
と考えられる。
【4月限納会は大きく水準を引き下げる】
 23日、2025年4月限は、前日比5.2円高の297.1円で納会オチした。前
月比で上昇しているが、前月比では56.8円安、2月限と比べると82.9円、対1
月限では92.9円も水準を引き下げての納会となった。トランプ政権が発足し、米中
貿易摩擦が激化する中、景気減速観測から天然ゴム需要の減少が意識されているよう
だ。
 株価対策の意味合いもあろうが、23日、米政府高官から対中政策を緩和するとみら
れる発言も散見された。ただ、現時点ではゴム相場への影響は限定的だ。また、トラン
プ米大統領の発言は二転三転する。金融不安も起きており、目先、ゴム相場は一段安と
なる可能性がある。
【上海ゴムは下値不安が強い】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、安値圏でのもみ合いが続いている。3月31日に終
値ベースで1万7000元を下抜くと、4月3日には1万6280元まで下落し、一代
の安値を更新した。さらに米中貿易摩擦が激化したことから、9日には1万4035元
まで下落した。その後の戻りも1万5000元超では、売りを浴びる展開となってい
る。現状、1万4500〜1万5000元前後でのレンジ取引となっているが、米中貿
易摩擦の激化などがあれば、一代の安値を試す場面がありそうだ。安値更新となれば、
特に目立った支持線は見当たらない。節目の1万4000元や1万3500元を目指す
展開になると考えられる。
【東京ゴム活発限月の9月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の9月限は安値圏でのもみ合いとなっている。3月中旬か
らの値動きをみると、上海安や円高に加え、トランプ関税を受けて、11日に335.
4円まで下落した。その後、340〜350円前後でのレンジ相場となっていたが、2
5日に節目の350円を終値ベースで上抜くと、28日には357.7円まで水準を引
き上げた。ただ、同水準で戻りを叩かれると、4月2日(日本時間3日午前5時)に発
表された米トランプ政権の相互関税を嫌気して3日から急落、9日には281.0円ま
で下落し、一代の安値更新場面となった。14日に305円まで戻しが、その後は
281〜295円前後のレンジ相場となっている。
 一段安となった場合、一代の安値208.1円が最初の関門。安値更新となれば、節
目の280円や270円を目指すとみる。一方、反発するようなら、300円台回復が
最初の関門になる。これに成功すれば、8日の高値305.1円を試そう。同水準を上
抜くと、節目の310.0円や一目均衡表の基準線がある319円台が意識される。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、トランプ大統領の動向に注目したい。今週は、トリプル安を緩和する目的
か、米トランプ政権から中国やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に対する
トーンがやや低くなった。ただ、予断を許さない状況は続いている。米金融市場が、再
び混乱するようなら、JPXゴムRSS3号は一段安となる可能性がある。
【相場予想レンジ】
 4月28〜5月2日のJPXゴムRSS3号9月限の中心レンジ予想は275〜30
5円。テクニカルの支持線は281.0円(一代の安値)、抵抗線は296.3円(4
月16日高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
28日 ●南ア(自由の日)
    香港貿易収支 2025年3月(香港統計局)
    米週間穀物輸出検証高(USDA)
    米国産コーン・大豆作付け進度報告(USDA)
29日 ●昭和の日
    米卸売在庫 2025年3月速報値(商務省)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2025年2月(S&P)
    米消費者信頼感指数 2025年4月(カンファレンスボード)
30日 鉱工業生産指数 2025年3月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2025年3月速報(経済産業省)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    金融政策決定会合(日本銀行、1日まで)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年4月(中国物流購買連合会)
    中国非製造業購買担当者景況指数 2025年4月(中国物流購買連合会)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年4月(財新)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    ユーロ圏域内総生産 2025年1-3月期速報(EUROSTAT)
    独消費者物価指数 2025年4月速報(連邦統計庁)
    全米雇用報告 2025年4月(ADP)
    米国内総生産 2025年1-3月期速報値(商務省)
    米雇用コスト指数 2025年1-3月期(労働省)
    シカゴ購買部協会景気指数 2025年4月(シカゴ購買部協会)
    米個人所得・支出 2025年3月(商務省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2025年3月(全米不動産協会)
 1日 ●中国、香港、欧州、南ア(メーデー)
    総裁記者会見(日本銀行)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2025年4月(ISM)
    米週間穀物輸出成約高(USDA)
 2日 ●中国(労働節)
    労働力調査(失業率) 2025年3月(総務省)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年4月確報(Markit)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年4月速報(EUROSTAT)
    ユーロ圏雇用統計 2025年3月(EUROSTAT)
    米雇用統計 2025年4月(労働省)
    米耐久財受注 2025年3月確報値(商務省)
    米製造業新規受注 2025年3月(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
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