ドル円は142円台 米経済指標を受けて伸び悩む=NY為替序盤

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうの為替市場、ドル円は一時143円台に戻す場面も見られていたものの、NY時間に入って142円台に再び戻している。先ほど発表の米経済指標を受けて、ドル安の反応が見られ、ドル円は伸び悩んでいる。4月のADP雇用統計と第1四半期の米GDP速報値が発表された。

 ADP雇用統計は予想を大きく下回り、昨年7月以来、9カ月ぶりの緩やかなペースに減速し、経済の不確実性により労働需要が鈍化していることを示した。

 一方、米GDPは予想以上のマイナス成長となっている。個人消費の鈍化は予想ほどではなかったものの、輸入が急増しており、純輸出が大きく低下し、全体を圧迫した。関税賦課を前にした駆け込みの需要があった可能性も推察される。また、PCEコア価格指数も予想を大きく上回っており、根強いインフレの兆候を見せている。いずれにしろ、米経済の減速を示す内容ではあり、為替市場はドル安の反応を見せているようだ。

 1-3月は高インフレが粘り強く残る中、雇用も冷え込みを見せ始め、米消費者のセンチメント低下も確認されていた。それが実際にハードデータになって出てきた格好となっている。トランプ関税については4月以降の発動だったことから直接的な影響はないが、観測が高まっていた時期ではあった。

 このあと日本時間23時に、FRBが参照している3月のPCE価格指数が発表され、コア指数は前年比2.6%が予想されている。全体的に前回から鈍化傾向は示しているものの、今後の関税のインフレへの影響が警戒される中、FRBは利下げへの慎重姿勢を堅持するものと見られている。トランプ大統領の利下げへの圧力が強い中、今回のデータがその見方を裏付けるか注目される。

 明日は日銀決定会合の結果が公表される。今回はトランプ関税の影響を見極めるため、政策は据え置かれる見通しだが、利上げの大枠の方針は維持されると見られている。成長見通しは下方修正されると見られているものの、今回は特に円相場を大きく動かす材料にはならないとの指摘も出ているようだ。

 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。

30日(水)
142.00(17.7億ドル)

1日(木)
143.00(12.6億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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