修正:ドル円、一時145円まで上昇 米英の貿易合意でムード高まる=NY為替序盤

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうの為替市場はドル買いがやや優勢となっており、ドル円は一時145円ちょうどまで買い戻されていた。145円付近にはオプション勢の防戦売りや、145円台での戻り待ちの売りも観測されている状況。

 米英が貿易協議で合意との報道が流れ、貿易協議進展への期待が高まっていることがドル高を支援している。ただ、合意した貿易協定は範囲が限定的で、将来の約束に重点を置いているほか、既存の10%の基礎的な相互関税は残る内容となる見込みとも伝わている。一方、市場の注目は今週末にスイスで行われる米中貿易協議だが、期待感は低いものの、前進はしているということで、市場も様子を見ている状況。

 前日は、FOMCとその後のパウエル議長の会見に為替市場はドル高で反応し、ドル円も買い戻しを見せていた。ある程度想定通りの内容で、議長は「金利調整を急ぐ必要はない。FRBは明確さが得られるまで待つ立場にある」と追加利下げに慎重姿勢を強調していた。

 それでも短期金融市場は見方を変えておらず、年内3回の利下げ、最短で7月の利下げ再開で織り込んでいる。ただ、エコノミストからは行き過た期待との声も出ており、年内は2回、開始は9月以降というのが慎重派の見方のようだ。

 本日は東京時間に5月開催分の日銀の議事録が公表されていた。一部の審議委員から、「次回の利上げ後に中立的な姿勢への転換が必要になる可能性」との見解が出ていたが、全体的に3月よりもハト派に傾いた印象もあったようだ。トランプ関税の不確実性からと思われる。

 日銀の中立金利の水準が、現在の0.50%からそう遠くないのではとの見方も出ており、市場からは短期的な円安を見込む声も出ている。

 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は145円に観測されている。

8日(木)
145.00(14.7億ドル)

9日(金)
145.00(19.3億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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