きょうの為替市場、前日のドル円は146円台前半に伸び悩む動きが見られたものの、本日は147円台に買い戻されている。方向感は依然として見えず、146、147円台といったところでの上下動に終始している。 流れに大きな変化はない。100日線が本日も145円台後半に来ており、その水準はしっかりと維持。テクニカル的には底打ちの兆候が出ているが、上値にはなお慎重といったところ。6月高値の148円ちょうど付近が次の上値抵抗として意識され、これを上抜ければ200日線に向けた上昇余地が広がる。 関税に関するトランプ大統領の強硬姿勢は続いており、今度はカナダに35%関税率を通知したほか、EUにも新たな関税率を通知する書簡を今週中にも通知する予定。ただ、市場は神経質にはなっているものの、過敏な反応は見せておらず、状況を見守っているようだ。 むしろ、円安の方が目立っている印象もある。円は主要通貨の中で対ドルで最も弱い通貨となっている。参院選で自公の苦戦が伝えられており、政治情勢の流動化を嫌っている模様。外貨準備が第1四半期に、過去に例のない規模で円からスイスフランへシフトしているとのレポートも出ていた。 日銀の利上げ期待後退や財政、そして米国との貿易交渉が早期にまとまらないのではとの不安が安全資産としての円の魅力を低下させているといった説明も聞かれる。もっとも、積み上がった円ロングのポジション調整が最大要因とも思われる。 日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は146.30円に観測されている。 11日(金) 146.30(6.5億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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