今週の日経225先物は、トランプ米大統領が示す関税交渉の期限である8月1日に向けた米国と貿易相手国との通商交渉の行方が変動要因となろう。さらに、米雇用統計などの重要な経済指標や米連邦公開市場(FOMC)、日銀の金融政策決定会合などが予定されているほか、本格化する日米の企業決算を睨んでの相場展開になりそうだ。 先週の日経225先物は、日米関税交渉の合意が好感され、7月23日には1470円高と急伸し4万1000円台を回復。翌24日は米国と欧州連合(EU)の通商交渉が合意間近、中国との協議も順調に進んでいると伝えられ、一時4万2080円まで買われた。ボリンジャーバンドの+3σを突破してきたことで過熱感が警戒され、週末は利益確定に伴うロング解消の動きが優勢となったが、+2σ水準での底堅さがみられた。 25日の取引終了後のナイトセッションでは一時4万1270円まで下げる場面がみられ、終盤にかけてプラス圏を回復したものの、+2σ(4万1500円)を下回っている。過熱を冷ます調整との見方ではあるが、短期的には+1σ(4万0700円)までの調整は意識しておきたい。一方で、早い段階で+2σを上回ってくるようだと、過熱感を警戒しつつも+3σ(4万2290円)とのレンジでの推移が見込まれる。 米国とEUの関税交渉については、トランプ大統領とフォンデアライエン欧州委員長が27日にスコットランドで会談すると報じられている。トランプ大統領は合意の可能性は五分五分と述べており、合意できなければショートが強まる可能性がある。また、先週の合意間近との報道である程度は織り込みが進んでいるとみられ、合意となってもインパクトは限られそうだ。 先週は23日の急騰局面でレバレッジ型ETFに絡んだヘッジ対応のロングが膨れた。大きな変動局面では、今後もヘッジ対応の動きが強まるとみられるため、上下いずれにもバイアスが強まりやすいと考えておきたい。 また、米国で決算発表が本格化しているが、先週はIBMやハネウェル・インターナショナル 、インテル が急落した。国内では2026年3月期の業績見通しが市場予想に届かなかった信越化学工業 <4063> [東証P]が急落し、日経平均株価の重荷になっていた。今後、国内でも決算発表が本格化するが、予想を下回る慎重な見通しが相次ぐようだと、利食いに伴うロング解消の動きが強まりやすいだろう。 米国では今週はプロクター・アンド・ギャンブル 、ラム・リサーチ 、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト 、クアルコム 、アップル 、アマゾン・ドット・コム などの決算発表が予定されている。米経済指標では6月の個人消費支出(PCE)や7月の雇用統計、7月のISM製造業景気指数など重要な統計が相次いで発表される。 そのため、日経225先物はこれらの結果を見極めながらの展開となろう。+2σを中心としたオプション権利行使価格の4万1000円から4万2000円のレンジを想定。+2σを上回って推移をみせてくる局面では、ロングが強まりやすい需給状況を想定しておきたい。 25日の米VIX指数は14.93(24日は15.39)に低下した。週間(18日は16.41)でも下落となった。先週は22日に17.48まで切り上がる場面がみられたが、下向きで推移し抵抗線として機能している25日移動平均線が抵抗線として機能していた。2月中旬以来の15.00を割り込んできており、リスク選好に向かわせやすい状況が続いている。 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.02倍(24日は14.04倍)に低下した。週間(18日は14.03倍)でも小幅に下げている。日米関税交渉の合意を受けて自動車株が大きく買われるなかで、23日には一時13.95倍に低下する場面もみられた。その後は、200日線(16日:14.02倍)、25日線(14.03倍)辺りで底堅さがみられており、14.00倍に接近する局面では、その後のリバランスを想定したNTロングでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。 7月第3週(14日-18日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では14週連続の買い越しであり、買い越し額は2411億円(7月第2週は9873億円の買い越し)だった。なお、現物は1875億円の買い越し(同4030億円の買い越し)と16週連続の買い越し。先物は536億円の買い越し(同5842億円の買い越し)と2週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で1170億円の売り越しと6週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2120億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。 主要スケジュールでは、28日に自民党両院議員懇談会、3回目の米中通商協議(~29日)、29日に米国7月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に米国7月ADP雇用統計、米国4-6月期GDP、FOMC(米連邦公開市場委員会)終了後に政策金利、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長記者会見、31日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田和男日銀総裁が記者会見、6月鉱工業生産、中国7月製造業PMI、米国6月個人所得、米国6月個人消費支出、8月1日に6月完全失業率、米国が日本に15%の相互関税発動見通し、臨時国会招集、米国7月雇用統計、米国7月ISM製造業景気指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 08月限 日経225 35661.68 TOPIX 2510.68 09月限 日経225 36906.92 TOPIX 2585.41 10月限 日経225 39701.93 TOPIX 2721.72 11月限 日経225 39901.35 TOPIX 2765.26 12月限 日経225 39434.85 TOPIX 2738.68 01月限 日経225 39343.19 TOPIX 2726.70 02月限 日経225 39432.64 TOPIX 2775.06 02月限 日経225 39432.64 TOPIX 2775.06 03月限 日経225 36483.79 TOPIX 2684.98 04月限 日経225 32737.29 TOPIX 2418.70 05月限 日経225 37572.13 TOPIX 2733.00 06月限 日経225 38172.67 TOPIX 2776.06 07月限 日経225 40004.61 TOPIX 2830.46 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 25/09 07月25日 41860 41860 41360 41360 -510 25/09 07月24日 41110 42080 41100 41870 +650 25/09 07月23日 39740 41360 39460 41220 +1470 25/09 07月22日 39860 40270 39580 39750 -80 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 25/09 07月25日 2979.0 2981.0 2948.0 2948.0 -32.5 25/09 07月24日 2921.0 2988.5 2921.0 2980.5 +51.0 25/09 07月23日 2835.0 2940.0 2824.0 2929.5 +92.5 25/09 07月22日 2839.5 2865.0 2822.0 2837.0 -1.5 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日大阪比 07月25日(09月限) 41370 +10 07月24日(09月限) 41605 -265 07月23日(09月限) 41640 +420 07月22日(09月限) 39610 -140 07月21日(09月限) 39790 -40 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 07月18日 1342億円 +774億円 1兆2466億円 -27億円 07月11日 568億円 -633億円 1兆2493億円 -1410億円 07月04日 1201億円 +184億円 1兆3904億円 -1005億円 06月27日 1016億円 -974億円 1兆4909億円 -1471億円 06月20日 1991億円 +137億円 1兆6381億円 -764億円 06月13日 1853億円 +1112億円 1兆7146億円 +960億円 06月06日 741億円 +205億円 1兆6186億円 -1289億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 07月23日 4088万株 +11万株 6億5357万株 +8529万株 07月22日 4076万株 -32万株 5億6828万株 -643万株 07月18日 4108万株 +11万株 5億7472万株 +654万株 07月17日 4097万株 +244万株 5億6817万株 +592万株 07月16日 3852万株 +717万株 5億6225万株 +623万株 07月15日 3135万株 +390万株 5億5601万株 -594万株 07月14日 2744万株 +699万株 5億6196万株 -1605万株 07月11日 2045万株 -3337万株 5億7801万株 -1306万株 07月10日 5382万株 +1834万株 5億9107万株 -1658万株 07月09日 3547万株 +194万株 6億0765万株 -1471万株 07月08日 3353万株 -108万株 6億2237万株 -1209万株 07月07日 3461万株 +10万株 6億3446万株 -1801万株 株探ニュース
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