株価指数先物【寄り前】 メジャーSQを控えヘッジ対応の動きが強まる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 43980 +320 (+0.73%)
TOPIX先物 3162.0 +22.5 (+0.71%)
シカゴ日経平均先物 43970 +310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。ニューヨーク連銀が発表した8月の消費者調査では、1年先インフレ期待は3.2%に上昇。3カ月以内に再就職できるとの割合が前月の50.7%から44.9%に低下した。労働市場の悪化が意識されるなか、米連邦準備理事会(FRB)が16~17日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの観測が買いに向かわせた。ただ、10日に8月の米卸売物価指数(PPI)、11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、結果を見極めたいとするムードも強かった。

 S&P500業種別指数は小売、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスが上昇した。一方で、電気通信サービス、自動車・同部品、公益事業の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、IBM、ウォルマート、ユナイテッドヘルス・グループ、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアが買われた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ、アムジェン、スリーエム、コカ・コーラが軟調。

 シカゴ日経平均先物の清算値は大阪比310円高の4万3970円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比60円安の4万3600円で始まった。直後につけた4万3540円を安値に反転し、4万3760円~4万3860円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを上抜けて4万4030円まで買われると、終盤にかけて4万3900円~4万4000円辺りのレンジが続き、4万3980円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで8月19日の高値4万3930円を突破し、4万4000円台に乗せてきた。目先的な達成感が意識される可能性はあるものの、ボリンジャーバンドの+1σ(4万3440円)と+2σ(4万4280円)によるレンジで推移するなかで、+2σ水準を捉えてくる可能性が高まっている。

 週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)算出が控えており、限月交代に伴うロールオーバーが中心になるが、高値更新でレンジを切り上げてきたことで、ヘッジ対応の動きが強まりやすいだろう。4万4000円突破ではレバレッジ型ETFのヘッジ対応も強まるとみられ、+2σを突破する局面では上へのバイアスが強まり、瞬間的には+3σ(4万5120円)水準に接近する可能性も意識しておきたい。

 そのため、オプション権利行使価格の4万4000円を中心とした4万3500円から4万4500円辺りのレンジを想定する。4万4000円処での上値の重さが意識される局面では、短期的なショートを誘う可能性はあるが、その後のカバーを狙った押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 8日の米VIX指数は15.11(5日は15.18)に低下した。一時15.65まで上昇し、25日移動平均線(15.52)を上回る場面もみられたが、その後は落ち着きをみせて14.99まで低下する局面もあった。直近の安値水準まで下げてきたことで、リスク選好に傾きそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.90倍に上昇した。一時13.96倍まで上昇する場面もみられ、抵抗線として意識されていた200日線(13.93倍)を上回った。その後はNTロングを巻き戻す動きも入ったが、25日線(13.86倍)が支持線として意識されていた。再び200日線を捉え、明確に上抜けてくる局面では、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせそうである。

株探ニュース

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