ドル円、一時148円台に上昇 ドル高が強まる=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、一時148円台に上昇 ドル高が強まる=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドル高が強まり、ドル円は一時148円台に上昇した。この日発表の米新規失業保険申請件数が米雇用の底堅さが示したこともフォローとなった。日米とも株式市場が堅調に推移していることもあり、円安の動きもドル円をサポートしていた模様。

 明日は日銀決定会合が予定され、据え置きが確実視されている。一部からは、植田総裁は年内利上げの可能性を示唆するとの観測もあるが、早期利上げに慎重姿勢が見られるようであれば、円売り圧力が一段と強まる可能性も指摘されている。また、積極財政派として知られる高市氏が自民党の総裁選に立候補を表明している。明日、具体的な政策などを説明すると伝わっていることも円安を誘発していた模様。

 一方、FRBの方は前日に利下げを再開。パウエル議長は、今回は「リスク管理的な利下げ」と表現していたが、市場は連続利下げの期待を高めている。短期金融市場では来年の夏までに計1.00%以上の利下げを織り込んでいる状況。

 為替市場はFOMC後、激しい上下動の末、結局ドル高の反応となっているが、あくまでポジション調整と見られている。ECBは利下げサイクルを大方終了し、英中銀は方向こそ利下げではあるものの、慎重になっている状況。そのような中で、今後FRBと主要国との金融政策の格差縮小が予想される中、基本的な潮の流れはドル安と見られているようだ。

 ユーロドルは一時1.18ドル台半ばまで上昇していたが、1.17ドル台に下落。1.1750ドル付近まで下落する場面も見られた。21日線が1.17ドル台前半に来ており、目先の下値サポートとして意識される。一方、ユーロ円は174円台前半と本日高値圏で推移。円安がユーロ円をサポートしており、昨年7月以来の高値圏での推移が続いている。

 ECBは追加利下げの可能性は残しているものの、すでに利下げサイクルは終了との見方が多い。そのような中、逆に経済回復が進めば、ECBは来年の第4四半期に「利上げ」の可能性があるとの指摘も出ている。その頃には成長が回復しているはずだという。

 ポンドドルは売りが強まり、一時1.3535ドルまで下落。21日線をうかがう展開も見せていた。本日の21日線は1.3515ドル付近。日足ベースのローソク足は前日に長い上髭を付けて失速し、本日も陰線を示現。チャート的にはやや下値警戒感を高める兆候も出ている。

 本日は英中銀が政策金利を予想通りに据え置いた。注目されていた来月からの量的引締め(QT)についても、予想通りに年700億ポンドにペースを縮小。ベイリー総裁は根強い高インフレを警戒して、追加利下げに慎重姿勢を強調していた。ただ、全て概ね市場の予想通りだったこともあり、ポンドの反応は限定的となった。市場では、次回11月6日のMPCも据え置きとの見方が強まっている。少なくとも11月26日にリーブス財務相が公表する秋の予算案を確認する必要あるという。

 なお、ポンド円は一時201円台まで上昇し年初来高値を更新していたものの、200円台半ばに伸び悩む展開。NY時間に入ってドル円が下落し、ポンド円も上値が重くなったようだ。ただ、200円台は堅持されており、上向きの流れは継続している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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