今晩、日本時間午前3時に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表、3時半にパウエル議長による記者会見が予定されています。 昨年までは年8回のFOMCのうち、3月、6月、9月、12月開催の4会合でのみ 議長の会見などが行われず、今回のようなそれ以外のFOMCでは金融政策の変更はまずありませんでしたが、パウエル議長の施策として、すべての会合での会見が実施されるようになったことから、今回の会合でも変更の可能性が十分にあります。 前回の利下げは2008年12月。パリバショックを受けて2007年9月に一気に0.50%の利下げを実施する形で利下げサイクルに入り、2008年12月の利上げで米国の政策金利は0.00~0.25%と事実上のゼロ金利となって、これ以上の利下げ余地がなくなる(と当時は思われていました、その後日本や欧州でマイナス金利に)形で、利下げサイクルが終了。その後量的緩和という非伝統的な手段での緩和に向かいました。 その後米景気の回復とともに2015年12月から利上げサイクルに向かい、昨年12月まで利上げサイクルが続きました。 米国の今年第1四半期GDPは前期比年率+3.1%成長、先週末に発表された第2四半期の速報値は+2.1%と、日本からするとうらやましいような成長が継続しています。雇用もほぼ完全雇用状態といえるほどの堅調さなど、数字だけをみると利下げが必要なの?という感じもありますが、物価の低迷や通商問題などを受けた今後の景気減速懸念などを受けて、今回のFOMCでの利下げ自体はほぼ確実視されています。 ポイントは、利下げ幅と、今後も利下げが続くのかどうか。 一気に0.50%の利下げを行うかどうかという件については、今月行われたパウエルFRB議長による半期に一度の議会証言での適切な対応をとると明言や、ウィリアムズNY連銀総裁の譲許によっては迅速な対応が必要になることもなどの発言(同地区連銀スポークスマンがその後、今回のFOMCについての話ではないと否定)もあり、一時は金利市場で50%程度の織り込みと、0.25%の利下げと見通しが拮抗する場面が見られました。しかし、さすがに直前になって状況が落ち着き、直近では20%ちょっとの織り込みに収まり、80%弱が0.25%の利下げ見通しと、コンセンサスが固まりつつあります。 その分0.50%の利下げとなるとサプライズな反応になりそう。どこまでドル安が進むかといったところ。ポイントは107円台前半です。 0.25%の利下げとなった場合は声明や会見内容がポイントに。9月のFOMCでの連続利下げ見通しが依然として大勢となる中、今後も緩和姿勢が継続するような印象を与えるとドル売り、いったん状況を確認するような姿勢が見られるとドル買いが基本路線となりそうです。 minkabuPRESS編集部山岡和雅
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