投資家が再びドルからの資金回避の動きを強めれば、ユーロは恩恵を受ける可能性があるとの指摘が出ている。FRBのインフレ抑制に対する姿勢への不安や、日米が円を支援するために協調して動くとの見方を背景に、一部では「米国売り」の議論が再燃しているようだ。 米財政拡張への懸念が続いていることや、米30年債利回りが2007年以来の高水準に上昇していること、さらにトランプ政権の地政学・外交政策を巡る不透明感がその議論を支えているという。 投資家がドル建て資産から資金を引き揚げる動きは、今年初めにもテーマとなっていた。当時はトランプ大統領によるグリーンランド併合発言がきっかけとなり、ユーロはドルに代わる有力な流動性資産として買われ、ユーロドルも1.20ドルを突破していた。 足元では再度1.20ドルまで上昇する可能性は低いものの、ドルが全面安となればユーロは恩恵を受けやすい立場にあるという。イラン情勢を巡る混乱の中でも、ECBはインフレを目標水準へ戻す姿勢を明確に示し、主要中銀の中でも比較的早い段階で利上げを開始している。市場では来月もECBの追加利上げが見込まれている情勢。一方、ユーロ圏経済はこれまでのところ中東紛争によるマクロ経済への影響を比較的うまく吸収しており、米大手銀が算出しているユーロ圏サプライズ指数は現在、米国を上回っている。 ポジション動向では、ドルロングが過去最高水準まで積み上がる一方、ユーロショートも積み上がっており、ポジション巻き戻しが起きる余地は大きいという。 テクニカル面では、ユーロドルは100日線(1.1570ドル付近)が次の重要な上値抵抗となる。この水準を5月中旬以来初めて上抜ければ、1.16ドル台を試す展開も視野に入る。 EUR/USD 1.1563 EUR/JPY 181.99 EUR/GBP 0.8566 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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