[Vol.1024] コモディティ「全体」としては上昇継続か

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。73.25ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,782.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,230元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は466.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで681.3ドル(前日比1.5ドル縮小)、円建てで2,425円(前日比4円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月25日 18時26分頃 先限)
6,349円/g 白金 3,924円/g
ゴム 237.7円/kg とうもろこし 33,680円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「コモディティ「全体」としては上昇継続か」

前回は、「米国の実態経済の本格回復に「伸びしろ」あり」として、米国における銅と石油の消費量の推移を確認しました。

今回は、「コモディティ「全体」としては上昇継続か」として、今後のコモディティ市場のおおまかな展開について、現時点での筆者の考えを述べます。

以下のとおり、金や暗号資産などの代替通貨・無国籍通貨は一定程度の水準を保ち、原油や銅などの景気敏感銘柄は上昇、トウモロコシや砂糖などの農産物やプラチナや銀などの貴金属といった環境関連銘柄は、長期的視点で上昇する可能性があると、考えています。

各コモディティ銘柄は、大きな波にもまれながら、推移していく可能性がありますが、長期的視点で考えれば、「全体」としては、底値を徐々に切り上げる可能性があると、現時点では考えています。

コモディティを投資対象とする際、あえて特定のコモディティ銘柄に絞らず、金属やエネルギー、農産物などの複数の銘柄の値動きを一つの指数にした金融商品に着目するのも一計なのかもしれません。

指数ごとに、どの銘柄をどれだけのウエートにしているかは異なりますが、コモディティ市場全体の流れを追う上でも、まずは価格の動向に注目してみるのもよいかもしれません。

図:今後の各カテゴリーの見通し(2021年6月25日時点)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。