米国では、足元、価格やそれによって計算される物価指数こそ上昇していますが、社会の実情(実態経済)の動向をみた場合、まだ景気回復は途上であることがわかります。以下の図のとおり、米国国内の銅需要と石油需要の回復がまだまだ途上であるためです。
原油反発。米主要株価指数の反発などで。73.14ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,781.35ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,010元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は465.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで702.6ドル(前日比5.7ドル拡大)、円建てで2,505円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月24日 19時8分頃 先限)
金 6,349円/g 白金 3,844円/g
ゴム 237.9円/kg とうもろこし 33,130円/t
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「米国の実態経済の本格回復に「伸びしろ」あり」
前回は、「一定の説明がつく値動き=「総売り」ではない」として、先週のFOMC後のコモディティ市場の値動きの特徴について書きました。
今回は、「米国の実態経済の本格回復に「伸びしろ」あり」として、米国における銅と石油の消費量の推移を確認します。
米国では、足元、価格やそれによって計算される物価指数こそ上昇していますが、社会の実情(実態経済)の動向をみた場合、まだ景気回復は途上であることがわかります。以下の図のとおり、米国国内の銅需要と石油需要の回復がまだまだ途上であるためです。
銅と石油の価格はゆうにコロナ前の水準を超えていますが、需要は以下のとおり、コロナ前の水準まで回復していません。つまり現在の米国経済において、価格と実態は、乖離(かいり)していると言えます。イメージと実態が乖離していると言ってもよいと思います。
価格が実態以上の上昇を演じているのは、以前の「ゲタを足かせにしたFOMC」で、「ゲタ」と表現した、金融緩和策の「副作用」が影響しているためだと、考えられます。
今後については、金利引き上げと量的緩和の縮小(テーパリング)が議論されることが示唆されたものの、目先数カ月は、まだゼロ金利政策や大規模な資産購入は続きます。このため、引き続き「副作用」が続く可能性があります。
「副作用」が続く、すなわち、実態以上の価格上昇が続く可能性があるわけです。
とはいえ、実態が価格に追いつく可能性もあるわけです。1年以上、強い緩和的な措置を続けてきたわけですので、ここからは、投資(マネーゲーム)ではなく、実態経済の回復に直接的に貢献するようなお金の使い方をすれば、実態経済が回復し、やがて銅や石油の需要が回復していくと、考えられます。
米国経済の改善の余地、「伸びしろ」は、まだまだあります。この「伸びしろ」を埋めるような動きが目立てば、力強い景気回復が訪れるでしょう。需要が回復し、そして価格が上昇した場合、それは「実態を伴った価格上昇」になります。(この時初めて、具体的な利上げやテーパリングの議論が開始されるべきだと筆者は考えています)
まずはそうなるまで、特に景気動向に敏感な銅や原油などのコモディティ銘柄の価格は、「副作用」によって、上値を伸ばす可能性があると考えています。
そして、「伸びしろ」が埋まり、望まれる真のインフレ(実態を伴った物価高)が訪れ、力強い景気回復が実感できるようになれば、それを糧にさらに上値を伸ばす可能性があるとみています。
図:米国の銅と石油需要の推移
図:ブルームバーグおよびEIA(米エネルギー情報局)のデータより筆者作成
原油反発。米主要株価指数の反発などで。73.14ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,781.35ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,010元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は465.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで702.6ドル(前日比5.7ドル拡大)、円建てで2,505円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月24日 19時8分頃 先限)
金 6,349円/g 白金 3,844円/g
ゴム 237.9円/kg とうもろこし 33,130円/t
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「米国の実態経済の本格回復に「伸びしろ」あり」
前回は、「一定の説明がつく値動き=「総売り」ではない」として、先週のFOMC後のコモディティ市場の値動きの特徴について書きました。
今回は、「米国の実態経済の本格回復に「伸びしろ」あり」として、米国における銅と石油の消費量の推移を確認します。
米国では、足元、価格やそれによって計算される物価指数こそ上昇していますが、社会の実情(実態経済)の動向をみた場合、まだ景気回復は途上であることがわかります。以下の図のとおり、米国国内の銅需要と石油需要の回復がまだまだ途上であるためです。
銅と石油の価格はゆうにコロナ前の水準を超えていますが、需要は以下のとおり、コロナ前の水準まで回復していません。つまり現在の米国経済において、価格と実態は、乖離(かいり)していると言えます。イメージと実態が乖離していると言ってもよいと思います。
価格が実態以上の上昇を演じているのは、以前の「ゲタを足かせにしたFOMC」で、「ゲタ」と表現した、金融緩和策の「副作用」が影響しているためだと、考えられます。
今後については、金利引き上げと量的緩和の縮小(テーパリング)が議論されることが示唆されたものの、目先数カ月は、まだゼロ金利政策や大規模な資産購入は続きます。このため、引き続き「副作用」が続く可能性があります。
「副作用」が続く、すなわち、実態以上の価格上昇が続く可能性があるわけです。
とはいえ、実態が価格に追いつく可能性もあるわけです。1年以上、強い緩和的な措置を続けてきたわけですので、ここからは、投資(マネーゲーム)ではなく、実態経済の回復に直接的に貢献するようなお金の使い方をすれば、実態経済が回復し、やがて銅や石油の需要が回復していくと、考えられます。
米国経済の改善の余地、「伸びしろ」は、まだまだあります。この「伸びしろ」を埋めるような動きが目立てば、力強い景気回復が訪れるでしょう。需要が回復し、そして価格が上昇した場合、それは「実態を伴った価格上昇」になります。(この時初めて、具体的な利上げやテーパリングの議論が開始されるべきだと筆者は考えています)
まずはそうなるまで、特に景気動向に敏感な銅や原油などのコモディティ銘柄の価格は、「副作用」によって、上値を伸ばす可能性があると考えています。
そして、「伸びしろ」が埋まり、望まれる真のインフレ(実態を伴った物価高)が訪れ、力強い景気回復が実感できるようになれば、それを糧にさらに上値を伸ばす可能性があるとみています。
図:米国の銅と石油需要の推移
図:ブルームバーグおよびEIA(米エネルギー情報局)のデータより筆者作成