[Vol.1031] パンデミック化から1年4カ月間で「ほぼ全部高」

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。76.67ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,805.60ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,380元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は474.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで696.7ドル(前日比1.1ドル拡大)、円建てで2,485円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月6日 17時58分頃 先限)
6,433円/g 白金 3,948円/g
ゴム 223.6円/kg とうもろこし 35,950円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「パンデミック化から1年4カ月間で「ほぼ全部高」」

前回は、「危機時にニンジン(期待)を生み出すのは、人類の特技」として、新型コロナがパンデミック化した昨年3月から先週までの1年4カ月間の市場環境を振り返りました。

今回は、「パンデミック化から1年4カ月間で「ほぼ全部高」」として、新型コロナがパンデミック化した昨年3月から先週までの1年4カ月間の、各種市場の値動きを振り返ります。

筆者が日ごろから注目している56銘柄の騰落率を確認してみます。56銘柄とは、貴金属4銘柄、その他金属等11、エネルギー2、穀物関連5、農畜産物11、主要国の株価指数10、通貨8、暗号資産3、その他2です。

2020年3月2日の終値と2021年7月2日の終値で計算すると、上昇銘柄数が全体の93%にあたる52銘柄、下落銘柄数が7%にあたる4銘柄でした。

下落した4銘柄はドル/スイス(▲4.0%)、ドル指数(▲5.3%)、ドル/カナダドル(▲7.5%)、そしてカカオ(▲12.9%)でした。米国の金融緩和の影響がいかに大きいかがうかがえます。カカオは「バイデン・ワクチン相場」が始まった昨年11月に急騰しましたが、その後、反動で大きく下落しました。

上昇で最も目立ったのはやはり暗号資産でした。イーサリアムが+795.8%、ビットコインが+270.5%、リップルが+165.3%と驚異的な上昇となりました。いずれも今年春のピーク時はさらなる高値がありました。

暗号資産と同等の上昇を演じたのは、バルチック海運指数(+509.5%)、鉄鉱石(+161.7%)、温室効果ガス排出権(+143.8%)などの物流・鉄鋼・環境関連の銘柄でした。次いで、大豆油(+119.5%)の上昇、上昇率50%以上の銘柄には、トウモロコシ、銀、大豆、原油、銅、菜種、木材などが名を連ねました。

以下のグラフは、56銘柄の代表例として抽出した19銘柄の騰落率です。次回以降、この間に61%の上昇を演じた、原油市場を取り巻く環境について、書きます。

図:主要銘柄の騰落率(56銘柄中19銘柄を抽出) 2020年3月2日~2021年7月2日


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。