原油反発。米主要株価指数の反発などで。75.39ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。1,793.10ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,160元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は471.6元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで688.75ドル(前日比6.85ドル縮小)、円建てで2,473円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(7月5日 18時1分頃 先限)
金 6,382円/g 白金 3,909円/g
ゴム 220.9円/kg とうもろこし 35,610円/t
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「危機時にニンジン(期待)を生み出すのは人類の特技」
前回は、「[Vol.1029] 不安増・株高時は金とプラチナの「二刀流」も!?」として、金とプラチナの投資戦略を練る上で考慮したい、この数カ月間の日本の個人投資家の心理状態について書きました。
今回は、「危機時にニンジン(期待)を生み出すのは人類の特技」として、新型コロナがパンデミック化した昨年3月から先週までの1年4カ月間の市場環境を振り返ります。
先週、コロナ2年目となった2021年が折り返しを迎えました。年初からのおよそ半年を振り返ると、バイデン新政権発足、米個人投資家の共闘による一部銘柄の乱高下、投機資金の流入などによる複数銘柄の歴史的高値更新、新型コロナワクチンの流通・変異株の拡大、FRBの段階的な資産買い取り縮小(テーパリング)観測による幅広い銘柄の一時的な価格下落など、多数の印象的な出来事が相次ぎました。
さらに10カ月間、さかのぼります。2020年3月初旬は、新型コロナが「パンデミック化」したと宣言されたタイミングです。この時、現金化が急速に進み、「新型コロナショック」と呼ばれた阿鼻叫喚の総売りが発生しました。
4月には、原油相場が史上初のマイナス価格をつけ、その後、各国でコロナの第1あるいは第2波が起き、感染拡大による経済的ダメージを軽減すべく米国を中心とした主要国が金融緩和を強化しました。この金融緩和強化を主因とし、8月初旬、主要国の株価指数が騰勢を強める中、金価格が史上最高値をつける珍事とも言える出来事が起きました。
秋以降は、コロナ、環境、人権問題、対中戦略などいくつもの重いテーマを抱えたままその日を迎え、数週間、明確な結果がでない異例の展開になった米大統領選挙、その後は、バイデン新政権とワクチンに過大な期待が集まり、環境配慮を前面に押し出したバイデン氏が勝利したことで需要が急減して真っ先に急落すると目された原油相場までをも急上昇させた「バイデン・ワクチン相場」が始まりました。同相場のはじまりは翌年春の、複数銘柄の史上最高値更新祭りの下地となりました。
昨年3月からこれまで、つまり新型コロナがパンデミック化してから1年4カ月間、本当にさまざまなことが起きました。今でこそ多少は落ち着いたものの、昨年5月前後は、各種経済指標やさまざまなデータが相次いで市場予想を大きく下回るなど、さながら未曽有の危機状態だったと言えます。
当時はコロナによってどれだけ景気や市民のマインドが落ち込むか、谷の深さの議論がほとんどだったが、現在はコロナからどれだけ回復するか、山の高さの議論が大半であるように感じます。日本ではまだ20%程度とはいえ、米国では50%を超えるなど、各国でコロナのワクチン接種率が上昇してきていることは、好材料と言えそうです。
この激動の1年4カ月間、全体的には、「危機」には「期待」で対策する事例が、各種で見られました。コロナで負ったダメージは「金融緩和」による景気回復期待や「環境」を柱とした新しい需要出現期待で癒し、変異株の拡大にはワクチン流通拡大期待でムード悪化を抑え、個人投資家の共闘による騒動には規制強化による市場正常化期待でけん制してきました。
いわば、「危機」を「期待(ニンジン)」で埋め合わせなければしのげない事態が続いてきたわけですが、この1年4カ月間、各種価格はどのような値動きを演じたのでしょうか。次回以降、各種主要銘柄のこの間の騰落率を確認します。
図:ウィズ・コロナ時の環境
出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。1,793.10ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,160元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は471.6元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで688.75ドル(前日比6.85ドル縮小)、円建てで2,473円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(7月5日 18時1分頃 先限)
金 6,382円/g 白金 3,909円/g
ゴム 220.9円/kg とうもろこし 35,610円/t
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「危機時にニンジン(期待)を生み出すのは人類の特技」
前回は、「[Vol.1029] 不安増・株高時は金とプラチナの「二刀流」も!?」として、金とプラチナの投資戦略を練る上で考慮したい、この数カ月間の日本の個人投資家の心理状態について書きました。
今回は、「危機時にニンジン(期待)を生み出すのは人類の特技」として、新型コロナがパンデミック化した昨年3月から先週までの1年4カ月間の市場環境を振り返ります。
先週、コロナ2年目となった2021年が折り返しを迎えました。年初からのおよそ半年を振り返ると、バイデン新政権発足、米個人投資家の共闘による一部銘柄の乱高下、投機資金の流入などによる複数銘柄の歴史的高値更新、新型コロナワクチンの流通・変異株の拡大、FRBの段階的な資産買い取り縮小(テーパリング)観測による幅広い銘柄の一時的な価格下落など、多数の印象的な出来事が相次ぎました。
さらに10カ月間、さかのぼります。2020年3月初旬は、新型コロナが「パンデミック化」したと宣言されたタイミングです。この時、現金化が急速に進み、「新型コロナショック」と呼ばれた阿鼻叫喚の総売りが発生しました。
4月には、原油相場が史上初のマイナス価格をつけ、その後、各国でコロナの第1あるいは第2波が起き、感染拡大による経済的ダメージを軽減すべく米国を中心とした主要国が金融緩和を強化しました。この金融緩和強化を主因とし、8月初旬、主要国の株価指数が騰勢を強める中、金価格が史上最高値をつける珍事とも言える出来事が起きました。
秋以降は、コロナ、環境、人権問題、対中戦略などいくつもの重いテーマを抱えたままその日を迎え、数週間、明確な結果がでない異例の展開になった米大統領選挙、その後は、バイデン新政権とワクチンに過大な期待が集まり、環境配慮を前面に押し出したバイデン氏が勝利したことで需要が急減して真っ先に急落すると目された原油相場までをも急上昇させた「バイデン・ワクチン相場」が始まりました。同相場のはじまりは翌年春の、複数銘柄の史上最高値更新祭りの下地となりました。
昨年3月からこれまで、つまり新型コロナがパンデミック化してから1年4カ月間、本当にさまざまなことが起きました。今でこそ多少は落ち着いたものの、昨年5月前後は、各種経済指標やさまざまなデータが相次いで市場予想を大きく下回るなど、さながら未曽有の危機状態だったと言えます。
当時はコロナによってどれだけ景気や市民のマインドが落ち込むか、谷の深さの議論がほとんどだったが、現在はコロナからどれだけ回復するか、山の高さの議論が大半であるように感じます。日本ではまだ20%程度とはいえ、米国では50%を超えるなど、各国でコロナのワクチン接種率が上昇してきていることは、好材料と言えそうです。
この激動の1年4カ月間、全体的には、「危機」には「期待」で対策する事例が、各種で見られました。コロナで負ったダメージは「金融緩和」による景気回復期待や「環境」を柱とした新しい需要出現期待で癒し、変異株の拡大にはワクチン流通拡大期待でムード悪化を抑え、個人投資家の共闘による騒動には規制強化による市場正常化期待でけん制してきました。
いわば、「危機」を「期待(ニンジン)」で埋め合わせなければしのげない事態が続いてきたわけですが、この1年4カ月間、各種価格はどのような値動きを演じたのでしょうか。次回以降、各種主要銘柄のこの間の騰落率を確認します。
図:ウィズ・コロナ時の環境
出所:筆者作成