[Vol.1035] 7月はここまで、株も高いが金(ゴールド)も高い

著者:吉田 哲
原油反落。米主要株価指数の反落などで。73.76ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,803.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年09月限は13,310元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年08月限は448.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで712.65ドル(前日比2.25ドル縮小)、円建てで2,523円(前日比9円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月12日 18時40分頃 先限)
6,383円/g 白金 3,860円/g
ゴム 214.8円/kg とうもろこし 34,260円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「7月はここまで、株も高いが金(ゴールド)も高い」

前回は、「世界の石油消費は年末に「10割経済」か」として、世界全体の石油消費の動向について書きました。

今回は、「7月はここまで、株も高いが金(ゴールド)も高い」として、足元の金(ゴールド)の値動きについて書きます。

7月に入り、NY金先物価格は、徐々に反発色を強めています(下図、赤丸参照)。6月16日(水)に、パウエルFRB議長が会見でテーパリング(段階的な金融緩和の縮小)を示唆したことでドルが上昇し、金(ゴールド)相場は、「代替通貨」の側面から下落圧力を受けて下落しましたが、足元、この時の下落に抗うように、反発してきています。

また、7月のこれまでの値動きを変動率で比較すると、金(ゴールド)は+2.2%と、他の主要銘柄を上回る上昇を演じていることが分かります。この間の金の上昇率は、相次ぐ最高値更新で話題をさらっている米国の主要株価指数の一つ、ナスダック(+1.9%)よりも高いことがわかります。

パウエル議長のあの会見後、幾度も「FRBは金融政策の方針を変えた」「今後はドル高がやってくる」「そして金(ゴールド)は買われにくくなる」などのニュースを目にしましたが、実際のところ、金相場は底割れせず、今では逆に反発してきているのです。

イメージと実態が異なっているわけです。なぜ、下落するイメージが先行する中でも、金相場は反発できるのでしょうか。そして、この反発が継続し、1,900ドルや2,000ドルといた、かつて達したことがある大台に再び達する可能性はあるのでしょうか。次回以降、これらの点について、考察します。

図:NY金先物価格(中心限月) 日足 終値 単位:ドル/トロイオンス


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。