週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比1.74ドル安の71.39ドル、ブレント原油は1.04ドル安の73.21ドルとなった。

 前週末はEIA週報の在庫取り崩しや株式市場の反発を受け持ち直し反発した。

 週明け12日は小幅に反落した。G20でコロナ変異株の感染拡大がとり上げられ上値を抑えられるとともに、OPEC+のサウジUAEの対立が続いていることから産油国間の価格競争の可能性を意識させた模様。翌13日は大幅に反発した。OPEC+の減産縮小協議難航を受け強気筋の買いを読んだ様子で原油供給の逼迫を意識した。14日は大幅に反落の展開となった。EIA統計では原油在庫の減少が確認された。しかし製品在庫の増加が示されたことや、UAEのベースライン引き上げが来年4月より了承される見通しとなったことで目先の増産が意識され売りを呼んだ。15日も上値重く推移。米国のガソリン需要の減少やコロナ変異株による感染拡大の懸念に加えOPEC+による減産縮小の見通しにより反落した。週末16日も押し目買いからもちなおしつつあるものの、海外市場の期近は重く推移している。



 OPEC+の原油価格に対する意見は現状満足という回答で決着ということではないか。ハリケーンや原油需要増等意識しなければいけないネタは残るものの、短期では下値見極め局面に移行したか。目先の日本以外でもデルタ株による感染状況の悪化が意識され、大天井の可能性は多少意識すべきなのかもしれない。原油在庫の減少が意識されやすい状況に変わりはないものの、買われすぎの反動を意識せざるを得ず、下値見極め局面と見るがどうだろうか。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。