[Vol.1054] 複数のコモディティ銘柄をパッケージ化した金融商品

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。69.25ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,756.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年01月限は14,625元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年09月限は431.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで747.65ドル(前日比9.95ドル拡大)、円建てで2,622円(前日比7円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月12日 18時19分頃 先限)
6,231円/g 白金 3,609円/g
ゴム 220.0円/kg とうもろこし 34,600円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「複数のコモディティ銘柄をパッケージ化した金融商品」

これまでの数回、コモディティだけで完結する分散投資をテーマについて書いています。前回は「原油が下落しても、CRB指数が上昇する場合がある」とし、「CRB指数」の構成比率について述べました。

今回は「複数のコモディティ銘柄をパッケージ化した金融商品」とし、複数のコモディティ銘柄を一定の構成比率に基づいて作られた指数に連動することを目指す、金融商品について述べます。

複数の銘柄を一つのパッケージとした指数への投資は、「たくさんの卵を一つの籠に入れない」ことに重きを置く「分散投資」の考え方に通じます。

以下は、さまざまなコモディティ関連の指数に連動することを目指して設計された、個人投資家の方々が取引をすることができる金融商品の値動きを示しています。

大局的な山と谷は同一と言ってよいと思います。ただし細かい点で言えば、取引コスト(投資信託の基準価額に含まれる)や、各金融商品が参照するコモディティ指数の構成銘柄やその比率が銘柄によって異なるため、短期的な値動きは同一ではありません。

また、構成銘柄やその比率は随時、変更になる場合があるため、お取引前に確認いただく必要があります。

こうしたコモディティ指数に連動することを目指す金融商品は、仕組みの上では、エネルギーや農産物、金属などに一度に投資をしていることになっているため、分散のメリットを求める意味で、注目してみてもよいかもしれません。

図:各種コモディティ指数に連動することを目指す金融商品の値動き(2020年4月1日を100として指数化)


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。