[Vol.1087] 実はジワリと上昇していた電気代

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。75.17ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,732.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は14,190元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年11月限は494.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで775.55ドル(前日比0.35ドル縮小)、円建てで2,804円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月30日 17時22分頃 6番限)
6,223円/g 白金 3,419円/g
ゴム 211.5円/kg とうもろこし(まだ出来ず)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「実はジワリと上昇していた電気代」

前回は、「なぜ「脱炭素」で原油相場が上がるのか?」として、脱炭素が進んだ場合の、原油市場を取り巻く環境について、筆者の考えを書きました。

今回は、「実はジワリと上昇していた電気代」として、家計における電気代が上昇していたことについて書きます。

以下のグラフのとおり、2人以上が住む世帯の電気代は、この20年間で、年間最大約2万円、上昇しました。

家庭の電気代は基本的に、使えば使う分だけ増えますので、電気代の話の際には量の話が欠かせません。また、単価にも目を配ることが必要です。単価は、電力の需要動向、発電をするためのコスト、政策的要因などで変動することがあります。

年間2万円の負担増加は、1カ月あたり約1,700円の負担増加を意味します。この額を大きいととるか、そうでないととるかはご家庭により異なると思いますが、すでに家計の4%程度まで、電気代の負担が増加していることを考えれば、関心を抱かずにはいられません。

今回から数回に分けて、日本の家庭などにおける電力需要や、発電コストに関わる液化天然ガス(Liquefied Natural Gas、以下LNG)の輸入量や価格の変遷、今後のエネルギー価格の動向などについて、解説します。

図:二人以上の世帯の支出金額における電気代とその割合


出所:総務省統計局の家計調査(家計収支編)をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。