一方、2000年以降の長期上昇トレンド形成局面では、52週移動平均線との乖離は現段階よりも大きく、必ずしも現段階での乖離が天井を表すとはいえない。 当時は乖離が拡大しても、テクニカル的な調整後は、深押しすることなく、押し目を買い直され、2011年の史上最高値まで息の長い上昇トレンドとなった。 CFTC(米先物取引委員会)によると、大口投機玉(ファンド玉)の買い越しは、290,090枚の買い越し(8/13現在)と、2016年7月水準に接近している。 ここであらわれる数字は、カラ売り・カラ買いの、いずれ巻き戻される短期筋主体のポジション動向。ここから読み取れるのは、短期的な買われ過ぎ感。新たな資金流入がなければ、ポジション調整が予想される内部要因となっている。 一方、金ETF(現物の裏付けあり)は、増加中だが、史上最高値を付けた際と比較すると、水準は低い。金ETF購入者は、年金基金などで、投資スタンスは、短期よりも中長期の投資家が多い。 さらに、ゆっくりと大きなポジションを採るのが中央銀行。90年代の下げ相場では売り方となったが、足元は買い方に転じており、今年の買い越しも、過去最高ベースだった昨年を上回るペースとなっている。 短期的な投機筋の買われ過ぎ感はあるものの、中長期的な買い方の姿勢に大きな変化はない。 NY金(12月限)は、13日のレンジ放れ待ち。終値ベースで、下放れした場合は、1434ドル(7/19高値)~心理的節目1450ドルが意識される。 東京金は、価格帯別出来高の厚い5,100円~14日安値(5,053円)水準の攻防が焦点。 5月安値~8月高値までの上昇に対する38.2%押し(4,924円)が下値支持。