原油反落。米主要株価指数の反落などで。63.73ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。3,494.57ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年01月限は15,460元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年09月限は494.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2131.57ドル(前日比34.57ドル拡大)、円建てで10,349円(前日比43円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(8月8日 14時04分時点 6番限)
金 16,179円/g
白金 5,830円/g
ゴム 317.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「金(ゴールド)相場は長期視点で上昇へ」
前回は、「長期底上げの背景に『世界分断』あり」として、2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景を確認しました。
今回は、「金(ゴールド)相場は長期視点で上昇へ」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマなど(2025年8月時点)を確認します。
金(ゴールド)相場は長期的に見て、国内・海外ともに史上最高値圏で推移しています。とかく、金(ゴールド)相場は「戦争」などの有事で語られることが多いですが、金(ゴールド)価格を押し上げている材料は、戦争だけではありません。目立った戦争が起きていない時期でも、金(ゴールド)相場が上昇しているためです。
筆者は長年、金(ゴールド)相場の動向を説明したり見通したりする手法を検討し続けていますが、今のところ、以下の七つのテーマに沿うことが、現代の金(ゴールド)相場分析に資すると考えています。ここでいう現代とは、S&P500種指数の極端な上昇が目立ち始めた2010年ごろ以降をイメージしています。
例えば、有事の金、株との逆相関、ドルとの逆相関、といった伝統的なテーマは、短中期の時間軸に分類できます。ここでは「有事ムード」「代替資産」「代替通貨」としています。そして、中長期、超長期という金(ゴールド)相場を長期的に底上げしているテーマが、「中央銀行」と「世界分断」です。
これらの複数のテーマに起因する上昇・下落の圧力が金(ゴールド)相場に同時に影響し、それらが相殺されながら、価格が決定されているといえます。2010年ごろ以降については、一つのテーマだけで金(ゴールド)相場は動いていない、と考えなければならないと筆者はみています。
足元、史上最高値圏で推移しているのは、時間軸が異なる複数の上昇圧力が重なっているためだといえます。有事や逆相関だけでこうした高値圏で推移していることを説明することは困難です。分かりやすいから、という理由で単一のテーマのみに注目すべきではありません。
また、実際のお取引の際は、注目するテーマの時間軸と取引手法の時間軸を整える必要があります。有事ムードに注目し、長期の資産形成を目的として積立投資を行うことは、あまり正しい選択とはいえないと筆者は考えています。
例外として、注目した有事(戦争)が、長期視点のプロジェクトである資産形成が想定する、数年間あるいは十数年間、場合によっては数十年間という長期間にわたって継続するとお考えであれば、有事に注目をした資産形成は問題ないと考えます。
2010年ごろ以降の傾向を考えれば、資産形成に金(ゴールド)を用いる場合は、「中央銀行」「世界分断」に注目するべきであると、筆者は考えています。
この数回で、白金(プラチナ)、銀(シルバー)、銅(カッパー)と、価格推移、生産量、需要の内訳などを比較しながら、金(ゴールド)への理解を深めてきました。
金(ゴールド)価格が歴史的な高値水準で推移し、「高いから買えない」と感じる方も、こうした情報を考慮することで、価格の水準感に頼らない冷静な分析ができるようになると、思います。市場環境が年々複雑化する今だからこそ、感覚ではない、データや理論に基づいた分析が必要です。
図:金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマなど(2025年8月時点)

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。3,494.57ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年01月限は15,460元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年09月限は494.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2131.57ドル(前日比34.57ドル拡大)、円建てで10,349円(前日比43円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(8月8日 14時04分時点 6番限)
金 16,179円/g
白金 5,830円/g
ゴム 317.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「金(ゴールド)相場は長期視点で上昇へ」
前回は、「長期底上げの背景に『世界分断』あり」として、2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景を確認しました。
今回は、「金(ゴールド)相場は長期視点で上昇へ」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマなど(2025年8月時点)を確認します。
金(ゴールド)相場は長期的に見て、国内・海外ともに史上最高値圏で推移しています。とかく、金(ゴールド)相場は「戦争」などの有事で語られることが多いですが、金(ゴールド)価格を押し上げている材料は、戦争だけではありません。目立った戦争が起きていない時期でも、金(ゴールド)相場が上昇しているためです。
筆者は長年、金(ゴールド)相場の動向を説明したり見通したりする手法を検討し続けていますが、今のところ、以下の七つのテーマに沿うことが、現代の金(ゴールド)相場分析に資すると考えています。ここでいう現代とは、S&P500種指数の極端な上昇が目立ち始めた2010年ごろ以降をイメージしています。
例えば、有事の金、株との逆相関、ドルとの逆相関、といった伝統的なテーマは、短中期の時間軸に分類できます。ここでは「有事ムード」「代替資産」「代替通貨」としています。そして、中長期、超長期という金(ゴールド)相場を長期的に底上げしているテーマが、「中央銀行」と「世界分断」です。
これらの複数のテーマに起因する上昇・下落の圧力が金(ゴールド)相場に同時に影響し、それらが相殺されながら、価格が決定されているといえます。2010年ごろ以降については、一つのテーマだけで金(ゴールド)相場は動いていない、と考えなければならないと筆者はみています。
足元、史上最高値圏で推移しているのは、時間軸が異なる複数の上昇圧力が重なっているためだといえます。有事や逆相関だけでこうした高値圏で推移していることを説明することは困難です。分かりやすいから、という理由で単一のテーマのみに注目すべきではありません。
また、実際のお取引の際は、注目するテーマの時間軸と取引手法の時間軸を整える必要があります。有事ムードに注目し、長期の資産形成を目的として積立投資を行うことは、あまり正しい選択とはいえないと筆者は考えています。
例外として、注目した有事(戦争)が、長期視点のプロジェクトである資産形成が想定する、数年間あるいは十数年間、場合によっては数十年間という長期間にわたって継続するとお考えであれば、有事に注目をした資産形成は問題ないと考えます。
2010年ごろ以降の傾向を考えれば、資産形成に金(ゴールド)を用いる場合は、「中央銀行」「世界分断」に注目するべきであると、筆者は考えています。
この数回で、白金(プラチナ)、銀(シルバー)、銅(カッパー)と、価格推移、生産量、需要の内訳などを比較しながら、金(ゴールド)への理解を深めてきました。
金(ゴールド)価格が歴史的な高値水準で推移し、「高いから買えない」と感じる方も、こうした情報を考慮することで、価格の水準感に頼らない冷静な分析ができるようになると、思います。市場環境が年々複雑化する今だからこそ、感覚ではない、データや理論に基づいた分析が必要です。
図:金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマなど(2025年8月時点)

出所:筆者作成