原油反落。米主要株価指数の反落などで。87.42ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,805.60ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
上海原油(上海国際能源取引中心) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
金・プラチナの価格差、ドル建てで774.4ドル(前日比7.8ドル拡大)、円建てで2,886円(前日比14円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月3日 18時33分頃 6番限)
金 6,650円/g 白金 3,764円/g
ゴム 241.7円/kg とうもろこし 40,820円/t
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1462/original_1_220203_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」
前回は、「ウクライナ情勢悪化による影響を間接・直接に分ける」として、ウクライナ情勢悪化による影響を考えました。
今回は、「エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」として、足元のエネルギー価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べます。
天然ガス(欧州)とブレント原油の価格は、米国で金融緩和縮小の議論が加速し始めた昨年秋以降も、上昇が続いています。
2020年4月から昨年夏ごろまでは、米国の大規模な金融緩和が相場を支える大きな原動力でした。金融緩和が縮小される議論が加速し始めたことで、秋以降、エネルギー価格は下落するとの声が聞かれましたが、逆に、上昇しました。
ウクライナ情勢の悪化が間接的に、エネルギー相場に上昇圧力をかけたと考えられます。
以下の図は、欧州とロシア間の主なパイプラインを示しています。赤の点線が天然ガス(青の点線は未稼働)、灰色の点線が原油のパイプラインです。産地であるロシアから、欧州に向けて伸びています。
主要なパイプラインのみを記しています(詳細を確認すると、東欧地域には毛細血管のように、パイプラインが張り巡らされています)。
ロシアからベルリン(ドイツ)付近に向けて、ベラルーシ経由、ウクライナ経由、バルト海経由(ノルドストリーム)の3本の天然ガスのパイプラインが、ベルリン付近に向けてウクライナ→ポーランド経由、そしてクロアチア(地中海)に向けてウクライナ→ハンガリー経由で2本の原油のパイプラインが伸びています。
前回、ウクライナ情勢の悪化が与えるエネルギー価格への影響は、間接要因だと書きましたが、間接要因は2つ存在します。1つ目は、同国に敷設されたパイプラインを通じて送られるロシア産のエネルギーの供給が不安定化する懸念が、価格を押し上げていることです。
(次回以降述べますが)ウクライナの主要輸出品目に、天然ガスや原油の名前は挙がっていません。ロシア産のこれらがウクライナを通過しているのですが、ウクライナ情勢が悪化し、天然ガスや原油のパイプラインが人為的あるいは、攻撃を受けたりして遮断されたりする懸念があるとの指摘があります。
2つ目は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプラインの一つ(ノルドストリーム2)の敷設計画を、ウクライナ情勢の悪化を受け、米国や欧州の主要国が停止する可能性を示していることです。
同パイプラインは、ウクライナではなく、北側のバルト海に敷設されています。米国や欧州の主要国は、ロシアに利することを阻止するために、同パイプラインの計画を停止することを示唆しています。これにより、供給されるはずの天然ガスが、欧州に届かなくなります。
ウクライナを通過するエネルギー(天然ガスと原油)が同国産ではないこと、計画停止が示唆されているパイプラインがウクライナ国内にないことなど、直接的にウクライナと関わりがないエネルギー供給への懸念が、エネルギー相場に上昇圧力をかけているわけです。
図:欧州とロシア間の主なパイプライン
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1463/original_2_220203_rakutensec_yoshida.png)
出所:europa.euの資料をもとに筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,805.60ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
上海原油(上海国際能源取引中心) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
金・プラチナの価格差、ドル建てで774.4ドル(前日比7.8ドル拡大)、円建てで2,886円(前日比14円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月3日 18時33分頃 6番限)
金 6,650円/g 白金 3,764円/g
ゴム 241.7円/kg とうもろこし 40,820円/t
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1462/original_1_220203_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」
前回は、「ウクライナ情勢悪化による影響を間接・直接に分ける」として、ウクライナ情勢悪化による影響を考えました。
今回は、「エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」として、足元のエネルギー価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べます。
天然ガス(欧州)とブレント原油の価格は、米国で金融緩和縮小の議論が加速し始めた昨年秋以降も、上昇が続いています。
2020年4月から昨年夏ごろまでは、米国の大規模な金融緩和が相場を支える大きな原動力でした。金融緩和が縮小される議論が加速し始めたことで、秋以降、エネルギー価格は下落するとの声が聞かれましたが、逆に、上昇しました。
ウクライナ情勢の悪化が間接的に、エネルギー相場に上昇圧力をかけたと考えられます。
以下の図は、欧州とロシア間の主なパイプラインを示しています。赤の点線が天然ガス(青の点線は未稼働)、灰色の点線が原油のパイプラインです。産地であるロシアから、欧州に向けて伸びています。
主要なパイプラインのみを記しています(詳細を確認すると、東欧地域には毛細血管のように、パイプラインが張り巡らされています)。
ロシアからベルリン(ドイツ)付近に向けて、ベラルーシ経由、ウクライナ経由、バルト海経由(ノルドストリーム)の3本の天然ガスのパイプラインが、ベルリン付近に向けてウクライナ→ポーランド経由、そしてクロアチア(地中海)に向けてウクライナ→ハンガリー経由で2本の原油のパイプラインが伸びています。
前回、ウクライナ情勢の悪化が与えるエネルギー価格への影響は、間接要因だと書きましたが、間接要因は2つ存在します。1つ目は、同国に敷設されたパイプラインを通じて送られるロシア産のエネルギーの供給が不安定化する懸念が、価格を押し上げていることです。
(次回以降述べますが)ウクライナの主要輸出品目に、天然ガスや原油の名前は挙がっていません。ロシア産のこれらがウクライナを通過しているのですが、ウクライナ情勢が悪化し、天然ガスや原油のパイプラインが人為的あるいは、攻撃を受けたりして遮断されたりする懸念があるとの指摘があります。
2つ目は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプラインの一つ(ノルドストリーム2)の敷設計画を、ウクライナ情勢の悪化を受け、米国や欧州の主要国が停止する可能性を示していることです。
同パイプラインは、ウクライナではなく、北側のバルト海に敷設されています。米国や欧州の主要国は、ロシアに利することを阻止するために、同パイプラインの計画を停止することを示唆しています。これにより、供給されるはずの天然ガスが、欧州に届かなくなります。
ウクライナを通過するエネルギー(天然ガスと原油)が同国産ではないこと、計画停止が示唆されているパイプラインがウクライナ国内にないことなど、直接的にウクライナと関わりがないエネルギー供給への懸念が、エネルギー相場に上昇圧力をかけているわけです。
図:欧州とロシア間の主なパイプライン
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1463/original_2_220203_rakutensec_yoshida.png)
出所:europa.euの資料をもとに筆者作成