原油反発。ウクライナ情勢の悪化などで。90.92ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。1,807.35ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
上海原油(上海国際能源取引中心) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
金・プラチナの価格差、ドル建てで769.3ドル(前日比0.4ドル拡大)、円建てで2,891円(前日比19円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月4日 14時18分頃 6番限)
金 6,669円/g 白金 3,778円/g
ゴム 241.6円/kg とうもろこし 41,190円/t
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1464/original_1_220204_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「農産物価格はウクライナ起因の直接要因で上昇」
前回は、「エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」として、足元のエネルギー価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べました。
今回は、「農産物価格はウクライナ起因の直接要因で上昇」として、足元の農産物価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べます。
前回述べたとおり、エネルギー価格は、ウクライナ情勢悪化起因の間接要因によって上昇していると考えられます。一方、農産物価格は、同情勢悪化起因の直接要因によって上昇していると考えられます。
足元、菜種、小麦、トウモロコシなどの農産物の価格が、上昇しています。米国で金融緩和縮小の議論が加速し始めた昨年秋以降も、上昇が続いています。
2020年4月から昨年夏ごろまでは、米国の大規模な金融緩和が相場を支える大きな原動力でした。金融緩和が縮小される議論が加速し始めたことで、秋以降、農産物価格は下落するとの声が聞かれましたが、逆に、上昇しました。ウクライナ情勢の悪化が直接的に、農産物価格を押し上げたと考えられます。
価格上昇について、エネルギーと異なり、ウクライナ情勢の悪化が直接的に関わっていることを確認するため、ウクライナの貿易の状況を確認します。以下は、ウクライナの主要輸出品目における、同国のシェア・ランキング、偏在度、世界全体の輸入10位に対するウクライナの貢献度を示しています。
OEC (Observatory of Economic Complexity)のデータによれば、ウクライナの主要輸出品目のうち、世界全体における輸出シェアが10%を上回るのは、植物油、銑鉄(せんてつ)、菜種、トウモロコシです。
植物油は、菜種油、大豆油、ヒマワリ油などで、銑鉄は、溶鉱炉に入れて鉄鉱石、石灰石、コークスを入れて鉄鉱石を還元した、鋼の原料です。
10%以下であるものの、世界的に貿易規模が大きい小麦の輸出シェアが7.0%と比較的高いことも、ウクライナの特徴と言えます。
ウクライナの主要輸入国への貢献度を見ると、植物油が48.5%、菜種が16.5%、トウモロコシが13.5%、小麦が9.5%などの農産物において高いことがわかります。逆に言えば、これらの品目の主要輸入国はそれだけ、ウクライナに依存しているわけです。
(銑鉄も貢献度が高いですが、銑鉄か鉄鉱石のままか、どちらを輸入するか、輸入国側にある程度、裁量があるとみられるため、ウクライナの貢献度が高いかはもう一段踏み込んだ議論が必要だと考えます)
同国の情勢が悪化した場合、ウクライナが貢献している農産物については、世界規模の供給障害に発展する可能性があります。また、ウクライナは日本と同じ北半球に位置します。情勢悪化が長期化した場合、農産物の生産が本格化する春以降、作付けが思うように進まないなどの懸念も残ります。
足元、こうした見方が強まっていることが、菜種油、トウモロコシ、小麦などの農産物価格を押し上げていると、考えられます。(直接要因)
図:ウクライナの貿易の状況(2019年)
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1465/original_2_220204_rakutensec_yoshida.png)
出所:oecデータをもとに筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。1,807.35ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
上海原油(上海国際能源取引中心) 春節のため休場(1月31日から2月4日まで)
金・プラチナの価格差、ドル建てで769.3ドル(前日比0.4ドル拡大)、円建てで2,891円(前日比19円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月4日 14時18分頃 6番限)
金 6,669円/g 白金 3,778円/g
ゴム 241.6円/kg とうもろこし 41,190円/t
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1464/original_1_220204_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「農産物価格はウクライナ起因の直接要因で上昇」
前回は、「エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」として、足元のエネルギー価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べました。
今回は、「農産物価格はウクライナ起因の直接要因で上昇」として、足元の農産物価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べます。
前回述べたとおり、エネルギー価格は、ウクライナ情勢悪化起因の間接要因によって上昇していると考えられます。一方、農産物価格は、同情勢悪化起因の直接要因によって上昇していると考えられます。
足元、菜種、小麦、トウモロコシなどの農産物の価格が、上昇しています。米国で金融緩和縮小の議論が加速し始めた昨年秋以降も、上昇が続いています。
2020年4月から昨年夏ごろまでは、米国の大規模な金融緩和が相場を支える大きな原動力でした。金融緩和が縮小される議論が加速し始めたことで、秋以降、農産物価格は下落するとの声が聞かれましたが、逆に、上昇しました。ウクライナ情勢の悪化が直接的に、農産物価格を押し上げたと考えられます。
価格上昇について、エネルギーと異なり、ウクライナ情勢の悪化が直接的に関わっていることを確認するため、ウクライナの貿易の状況を確認します。以下は、ウクライナの主要輸出品目における、同国のシェア・ランキング、偏在度、世界全体の輸入10位に対するウクライナの貢献度を示しています。
OEC (Observatory of Economic Complexity)のデータによれば、ウクライナの主要輸出品目のうち、世界全体における輸出シェアが10%を上回るのは、植物油、銑鉄(せんてつ)、菜種、トウモロコシです。
植物油は、菜種油、大豆油、ヒマワリ油などで、銑鉄は、溶鉱炉に入れて鉄鉱石、石灰石、コークスを入れて鉄鉱石を還元した、鋼の原料です。
10%以下であるものの、世界的に貿易規模が大きい小麦の輸出シェアが7.0%と比較的高いことも、ウクライナの特徴と言えます。
ウクライナの主要輸入国への貢献度を見ると、植物油が48.5%、菜種が16.5%、トウモロコシが13.5%、小麦が9.5%などの農産物において高いことがわかります。逆に言えば、これらの品目の主要輸入国はそれだけ、ウクライナに依存しているわけです。
(銑鉄も貢献度が高いですが、銑鉄か鉄鉱石のままか、どちらを輸入するか、輸入国側にある程度、裁量があるとみられるため、ウクライナの貢献度が高いかはもう一段踏み込んだ議論が必要だと考えます)
同国の情勢が悪化した場合、ウクライナが貢献している農産物については、世界規模の供給障害に発展する可能性があります。また、ウクライナは日本と同じ北半球に位置します。情勢悪化が長期化した場合、農産物の生産が本格化する春以降、作付けが思うように進まないなどの懸念も残ります。
足元、こうした見方が強まっていることが、菜種油、トウモロコシ、小麦などの農産物価格を押し上げていると、考えられます。(直接要因)
図:ウクライナの貿易の状況(2019年)
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/1465/original_2_220204_rakutensec_yoshida.png)
出所:oecデータをもとに筆者作成