週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場はパウエルFRB議長の講演内容次第で上にも下にも放れる可能性がありそうだ。直近は三角保ち合いのような形でレンジ内での推移が続いていたものの、講演内容によっては為替、株式市場も大きく上下する可能性があり、レンジ相場の上放れ・下放れのきっかけになりそうであるため注意しておきたい。注目点としては今週に入り複数の地区連銀総裁から利下げ不要論も出ている中でパウエル氏がどこまでハト派な姿勢を示せるかとなりそうだ。ただし、下放れした場合でもサウジアラビアの油田が攻撃を受けたことや、イラン大統領が同国の石油輸出がゼロになれば国際水路の安全性は担保できないと発言するなど中東の地政学リスクが意識されそうであり、前回安値付近のWTIで50ドルを下回って下落するリスクは少なそうか。どちらにしてもレンジを放れた場合は動いた方向への順張りが有効そうだと思われる。
 
NY原油チャート
 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。