[Vol.1195] 「総悲観」は去った?侵攻後の価格推移4分類

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。ロシア産原油の代替が出現する可能性発生などで。105.05ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,968.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は13,455元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年04月限は683.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで905.7ドル(前日比9.3ドル拡大)、円建てで3,532円(前日比7円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月14日 18時00分頃 6番限)
7,429円/g 白金 3,897円/g
ゴム 242.2円/kg とうもろこし 52,250円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「「総悲観」は去った?侵攻後の価格推移4分類」

前回は、「短期的に金(ゴールド)も原油も上昇するか」として、目先、短期的な金と原油相場の動向について、筆者の考えを述べました。

今回は、「「総悲観」は去った?侵攻後の価格推移4分類」として、ロシアによるウクライナ侵攻後の、さまざまな銘柄の価格推移に注目します。

2月24日(木)のロシアによるウクライナ侵攻以降、さまざまな市場が混乱しています。原油、小麦、アルミニウム、ニッケル、金(ゴールド)、パラジウムなどの高騰を報じるニュースを、毎日のように目にします。

ただ、足元、混乱状態に変化の兆しが生じているように、思われます。極端な上昇、あるいは極端な下落一辺倒だった各種市場で、上昇していた銘柄が反落したり、下落していた銘柄が反発したり、しているためです。

1.「上昇継続」は、まだ上昇一辺倒の状態が続いている銘柄、2.「下落後反発」は、侵攻直後は下落したものの、足元、反発色を強めている銘柄、3.「上昇後反落」は、侵攻直後は上昇したものの、足元、反落している銘柄、4.「反発せず」は、侵攻直後から目立った反発が起きていない銘柄です。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、多くの市場に強い不安感・懸念が広がり、その不安感・懸念が価格を上昇させたり、下落させたりしました。とはいえ、上図のとおり、上昇した銘柄の中でも今は反発していたり、下落した銘柄の中でも今は反落したりしている銘柄が複数あります。

次回以降、4つのパターンごとに、さまざまな銘柄の価格推移について、書きます。

図:ウクライナ侵攻前日以降の価格推移「4つのパターン」銘柄別


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。