[Vol.1290] 高インフレ沈静化近し!? 商品指数は下落目立つ

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。93.81ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,789.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は11,955元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年09月限は667.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで886.35ドル(前日比2.35ドル拡大)、円建てで3,669円(前日比62円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月2日 14時52分頃 6番限)
7,416円/g
白金 3,747円/g
ゴム 226.6円/kg
とうもろこし 44,400円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「高インフレ沈静化近し!?商品指数は下落目立つ」

前回は、「最悪より「まし」が注目され始めた利上げ動向」として、6月と7月のFOMC前後数日間の、主要銘柄の騰落率を確認しました。

今回は、「高インフレ沈静化近し!? 商品指数は下落目立つ」として、米国のCPIと主要コモディティ指数の推移を確認します。

以下のグラフは、インフレの動向を示す米国のCPI(消費者物価指数)と、主要なコモディティ指数の、長期の推移です。(ともに前年同月比)

FRBが注目するCPIの動きは、主要なコモディティ指数(グラフは、金属、農産物、エネルギーの配分が、比較的均等な指数)の動きの、数カ月あとをたどる傾向があります。コモディティ価格の動向が、物価動向をけん引しているわけです。

今年に入り、CPIの伸び率は、およそ40年半ぶりの高水準に達しましたが、コモディティ価格の伸び率は、それ以前から低下していました。数カ月あとをたどる傾向を考えれば、じきに、CPIの伸び率は低下する可能性があります。

7月のFOMCで各種市場が強気姿勢を示したのは、利上げによる痛みが、もうそろそろ、インフレ沈静化という果実に変わるかもしれない、という期待が意識されたことも一因かもしれません。

図:米CPIと主要コモディティ指数の推移 (ともに前年同月比)
図:米CPIと主要コモディティ指数の推移 (ともに前年同月比)

出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。