嵐の前の静けさ

著者:菊川 弘之
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 フランス国営ラジオ(RFI)は、ロシアがウクライナに侵攻する前の2022年1月に、米国国務省次官ヴィクトリア・ヌーランドが、「米国はロシアのウクライナの侵攻に対して、ノルドストリーム2を停止することができる」との発言を引用・紹介している。

 今回の爆破では、欧州が最大の被害者、ロシアは切り札を失うリスクを負い、勝利者は米国(エネルギー業者)と軍産複合体との見方も広がっており、EU本部と米ワシントン間で緊張が高まっている。イタリアのメローニ新首相は、「カブールからの信じられない惨めな撤退がなければ、今日のキーフの悲劇を見ずに済んだだろう。そして、明日台湾の侵略されることを見ることもないだろう」と語っている。

 11日のスウェーデン議会選で、中道左派のアンデション首相が敗北を認め、右派政党連合が新政権樹立に向けた協議を始めている。イタリアでも右派連合が勝利しメローニ新首相が誕生した。欧州内の政治的分断も進みそうだ。

 プーチン大統領は29日、トルコのエルドアン大統領との電話会談を行い、「ノルドストリーム」に対する「前例のない破壊工作」について「国際的なテロ行為だ」と述べ、「国際テロ」として、国連安保理に提訴した。

リーマンショック時の金現物とNYダウ(日足終値)
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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