波乱含みの中間選挙で金は底固めか?

著者:菊川 弘之
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 中間選挙では投票締切りと同時に開票作業に入るが、郵便投票集計に時間を要したり、僅差で再集計が必要になったりすると結果判明に時間がかかる事態も予想される。

 接戦州の南部ジョージア州は得票率50%以上の候補がいなければ上位2人の決選投票を12月6日に実施する。

 西部アリゾナ州は候補者の得票差が0.5ポイント以内の場合、自動的に再集計を実施する。西部ネバダ州は候補者や有権者が再集計を求められるルールだ。

 また、中西部ウィスコンシン州は選挙当日まで郵便投票の集計を認めない。上院選と州知事選で激戦が予想されており、郵便投票の集計に時間を要して結果判明が遅れるとの見方もある。

 ペンシルベニア州で25万票の身分証明書の一致なしの郵便投票用紙が送られ共和党議員が提訴。同州最高裁は「返信用封筒に日付と署名の一致のない投票用紙は認められない」と判断した。

 トランプ前大統領は2020年の大統領選で、開票序盤にリードしていたにもかかわらず、開票終盤で逆転・敗れた州で選挙不正があったと主張しているが、今回も、開票直後に共和党候補が先行し、開票が進むと民主党が差を詰めるケースが考えられる。優勢が予想されている共和党が過半数をとれないような結果となるなら、再び、騒乱が起きる可能性も否定できない。

 欧州や中国・日本と比べて経済指標は相対的に強い米国の政治的な負の側面(分断)が意識されてくるなら、金相場にとっては強気要因として働きそうだ。

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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