[Vol.2116] 金(ゴールド)相場は5,200ドルに到達か

著者:吉田 哲
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原油反落。ウクライナ戦争の鎮静化期待などで。55.60ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。4,304.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年05月限は15,170元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年02月限は430.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2467.7ドル(前日比40.90ドル縮小)、円建てで13,389円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月16日 18時58分時点 6番限)
21,706円/g
白金 8,317円/g
ゴム 327.7円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「金(ゴールド)相場は5,200ドルに到達か」
前回は、「2026年も株と金(ゴールド)が最高値を更新?」として、2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景を、確認しました。

今回は、「金(ゴールド)相場は5,200ドルに到達か」として、ドル建て金(ゴールド)価格、2026年の筆者イメージを、確認します。

2026年におけるさまざまなイベント(多くは影響が短期視点)と、2010年ごろから目立ち始めた世界の大きな潮流がもたらす金(ゴールド)相場への影響を、筆者が提唱する「七つのテーマ」に準じて考えます。

戦争やテロがもたらす不安感を意味する「(1)有事(伝統的)」、株との逆相関を意味する「(2)代替資産」、ドルとの逆相関を意味する「(3)代替通貨」が、短中期視点のテーマです。2026年のイベントに挙げた、ウクライナ戦争や中東情勢の動向は(1)、米国の中間選挙や世界的なスポーツの大会は(2)、米国の利下げ動向は(3)に分類できます。

また、2010年ごろから目立ち始めた世界の大きな潮流に関わる要素について、民主主義後退や分断深化を一つのきっかけとして金(ゴールド)を購入する中央銀行(金保有量)の動向は(6)、民主主義後退や分断深化の潮流そのものは(7)に分類できます。

下の図が、筆者が考える2026年の金(ゴールド)相場を取り巻くイメージです。2010年ごろから目立ち始めた世界の大きな潮流に関わる要素(中長期・超長期視点)が引き続き「土台」として、金(ゴールド)相場を支えると考えています。

特に米国の利下げの議論が続くことが想定されるため、(3)代替通貨をきっかけとした短中期的な上昇圧力が断続的にかかる可能性があります。

こうしたことをまとめると、2026年に想定される価格水準(1トロイオンスあたり)は、高値5,200ドル、安値3,700ドル、年末に5,000ドルとなると、現時点で考えています。

図:ドル建て金(ゴールド)価格、2026年の筆者イメージ

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。