[Vol.2100] 目的・手段・材料の時間軸を合わせる

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。57.99ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。4,028.96ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年01月限は15,245元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年01月限は448.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2530.36ドル(前日比12.04ドル縮小)、円建てで13,615円(前日比62円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月21日 大引け時点 6番限)
20,719円/g
白金 7,104円/g
ゴム 335.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」
前回は、「『時間軸』が思考固定のポイント」として、金(ゴールド)関連の投資目的・手段・材料(イメージ)を、確認しました。

今回は、「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」として、ドル建て金(ゴールド)に関わる七つの材料(2025年)を、確認します。

2010年ごろ以降、短期視点では、「有事(伝統的)」「代替資産」「代替通貨」の三つの材料が絶えず、上下どちらかの圧力を同時にかけています。これにより、短期的な価格の上下が生じています。

長期視点では、「中央銀行」「有事(非伝統的)」の二つが、上昇圧力をかけています。これらによる上昇圧力が「土台」となり、長期的な価格上昇が続いています。

以下の通り、ドル建て金(ゴールド)に関わる材料は、七つに分けることができます(2025年)。円建て金(ゴールド)については、八つ目として「ドル円」を加えます。

こうした「材料の時間軸」は、「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」ために欠かせない考え方です。

最近、しばしば見聞きする「思考停止で金(ゴールド)」は、「考えなくてよい」「考えずに買う」という意味合いで使われているケースが多いように感じます。

しかし、この数回で述べたとおり、時代の流れが「思考停止」の意味を変え、現在は「適切に使うもの」という意味を持つようになりました。

そして、この「適切に使うもの」という観点から導き出された「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」という考え方は、金(ゴールド)投資に臨むための最低限の思考(最低限、固定すべき思考)であると、筆者は考えます。

図:ドル建て金(ゴールド)に関わる七つの材料(2025年)
図:ドル建て金(ゴールド)に関わる七つの材料(2025年)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。