[Vol.2117] 中央銀行は短期・長期の両方の変動要因

著者:吉田 哲
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原油反発。55ドルの節目割れなどで。56.43ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。4,348.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年05月限は15,390元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年02月限は426.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2401.5ドル(前日比42.60ドル縮小)、円建てで13,097円(前日比98円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月17日 18時24分時点 6番限)
22,002円/g
白金 8,905円/g
ゴム 333.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「中央銀行は短期・長期の両方の変動要因」
前回は、「金(ゴールド)相場は5,200ドルに到達か」として、ドル建て金(ゴールド)価格、2026年の筆者イメージを、確認しました。

今回は、「中央銀行は短期・長期の両方の変動要因」として、近年の米国株とドル建て金(ゴールド)の値動きの関係を、確認します。

中央銀行は、通貨の発行・管理、金融政策の実施、外貨準備保有などを通じ、その国の経済目標達成に貢献したり、雇用と物価の安定を図ったりする公的な組織です。

2023年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の方針は「利下げ」です。

このため、2024年・2025年と同様、2026年も、以下の図の右で示す図式が強まる可能性があります。金融政策が材料の頂点となり、緩和→期待増→株高、そして緩和→ドル安→金(ゴールド)高、という思惑が強まりやすくなる、という図式です。

この点が、以前の「[Vol.2115] 2026年も株と金(ゴールド)が最高値を更新?」で述べた、株価指数と金(ゴールド)が2026年に高値を更新すると考える根拠です。

11月の中間選挙に向けて、トランプ大統領は景気回復および株高を演出する可能性があります。そのため、FRBに対して一段と利下げの圧力をかける可能性があります。同選挙が近づけば近づくほど、前回述べたドルの代わりを意味する(3)代替通貨をきっかけとした上昇圧力が強くなる可能性があります。

状況によっては、利下げ観測を受けて株価が上昇した際、その株高に対して「高すぎて不安」という感覚が大きくなり、その不安がなお、金(ゴールド)相場を押し上げる場面もあるかもしれません。

図:近年の米国株とドル建て金(ゴールド)の値動きの関係
図:近年の米国株とドル建て金(ゴールド)の値動きの関係
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。