[Vol.1462] 「高インフレ」「銀行不安」は危機鎮静化で終息

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。82.41ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,051.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,640元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年06月限は590.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで991.15ドル(前日比1.35ドル拡大)、円建てで4,278円(前日比1円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月14日 18時25分頃 6番限)
8,655円/g
白金 4,377円/g
ゴム 208.8円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『高インフレ』『銀行不安』は危機鎮静化で終息」
前回は、「実は少量の減産しかしない!? OPECプラスの思惑」として、主OPECプラス減産参加国(20カ国)の原油生産量などについて、述べました。

今回は、「『高インフレ』『銀行不安』は危機鎮静化で終息」として、筆者が考える「高インフレ」「銀行の連鎖不安」の根本原因を、述べます。

筆者は、「高インフレ」と「銀行不安」の根本原因は同じだと考えています。「ウクライナ危機」です。「ウクライナ危機が起きていなかった場合、高インフレも銀行不安も起きていなかった?」という問いがあるとすると、筆者はYesと答えます。

2010年ごろから危機勃発前まで、西側が強力に推進してきた「環境問題」と「人権問題」が、「溝」を作ったと考えています。西側が環境問題を改善しようとすればするほど、産油国(多くが非西側)の思惑が内向きになり、西側が人権問題を改善しようとすればするほど、独裁国家(多くが非西側)の西側に対する反発心が強くなったためです。

こうした西側と非西側のあつれきが「分断の芽」であり、「ウクライナ危機勃発の遠因」だったと、筆者はみています。ウクライナ危機が終わらなければ、原油高がもたらす「高インフレ」も、「銀行不安」も、終わらない可能性があります。

ウクライナ危機を鎮静化させることなど、容易ではないでしょう。危機は続く。危機起因の金(ゴールド)相場の高止まりも続く。筆者はそう考えています。

図:「高インフレ」「銀行の連鎖不安」の根本原因
図:「高インフレ」「銀行の連鎖不安」の根本原因

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。