[Vol.1467] 危機が終われば鶏卵価格は「優等生に戻れる」

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。77.09ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,994.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,860元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年06月限は554.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで890.25ドル(前日比21.25ドル縮小)、円建てで3,951円(前日比14円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月21日 16時34分頃 6番限)
8,550円/g
白金 4,599円/g
ゴム 209.3円/kg
とうもろこし 43,410円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足  単位:ドル/ブッシェル
シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「危機が終われば鶏卵価格は『優等生に戻れる』」
前回は、「民主的な国の供給量が、長期減少傾向」として、民主的・非民主的な傾向が特に強い国のトウモロコシと大豆の生産シェアについて、述べました。

今回は、「危機が終われば鶏卵価格は『優等生に戻れる』」として、「高インフレ」などの根本原因について、筆者の考えを述べます。

ウクライナ危機が勃発して以降、民主国家(西側)と非民主国家(非西側)の間の「分断」が大きくなっています。そもそもウクライナ危機が発生したのは、西側が非西側に自分たちの考えを強いたことが大きいと筆者は考えています。

西側が「環境問題」や「人権問題」を強く主張したことにより、産油国と西側の軋轢(あつれき)が大きくなったり、独裁国家の西側に対する反発が強くなったりしました。産油国も独裁国家も多くは非西側(非民主国家)です(西側の問題提起は、しばしば非西側の経済活動を損なう主因になっている)。

ウクライナ危機が終わらず、「分断」が続く限り、非民主国家の出し渋りも終わらないと考えられます。穀物相場は、今後も長きにわたり、非民主国家が強い影響力を持っていること(絶えず上昇圧力がかかる可能性があること)を、認識し続けることになる可能性があります。

それは「優等生が優等生に戻れない(=鶏卵価格が下がらない)」状態が続く可能性があることを意味します。ウクライナ危機が終われば優等生に戻れる。鶏卵価格を優等生に戻すためにも、同危機を終わらせなければなりません。

図:「高インフレ」などの根本原因
図:「高インフレ」などの根本原因

出所:筆者作成

 

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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。