[Vol.1482] 「非西側」が台頭中、分断深刻化

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。70.34ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,992.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は12,255元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年07月限は501.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで919.25ドル(前日比6.85ドル縮小)、円建てで4,160円(前日比5円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月17日 16時30分頃 6番限)
8,739円/g
白金 4,579円/g
ゴム 212.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『非西側』が台頭中、分断深刻化」
前回は、「BRICs、NEXT11は過去の言葉」として、G7、BRICs、NEXT11各国の自由民主主義指数を確認しました。

今回は、「『非西側』が台頭中、分断深刻化」として、民主的・非民主的な傾向がある国の数の推移を確認します。

前回、なだたる「BRICs」諸国の自由民主主義指数が急低下したことについて、述べました。今回は、世界全体に目を向けます。以下は2022年時点の自由民主主義指数の状況です。

V-Dem研究所のデータに収録されている170カ国強のデータの中で、民主的な傾向がある(同指数が0.5以上)国の数は63です。一方、非民主的な傾向がある(同指数が0.5未満)の国の数は111です。どちらが多いでしょうか。非民主的な傾向がある国です。

この点は、「[Vol.1480] G7諸国の強さを確認」で述べた、「G7」の人口の比率の低さと関連します。人口も、国の数も、民主的な傾向がある国は、非民主的な傾向がある国に劣後しています。民主政治の旗印とも言える選挙では「数」を根拠に物事を決定しますが、世界全体でみると明らかに民主的な傾向がある国(≒西側)の数は足りていないのです(G7の声明の実効性に懸念が示される一因が、ここにある)。

以下は、民主的な傾向がある国(≒西側)と非民主的な傾向がある国(≒非西側)の数の推移です。前回述べた「BRICs」諸国が「向こう側」に行ってしまった2010年代に、西側諸国の増加が止まり、非西側諸国の減少が止まりました。

近年は、「西側減少・非西側増加」の傾向が目立っています。西側と非西側の「分断深化」が進行しているわけです。

図:民主的・非民主的な傾向がある国の数の推移
図:民主的・非民主的な傾向がある国の数の推移

出所:V-Dem研究所(スウェーデン)のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。