[Vol.1480] G7諸国の強さを確認

著者:吉田 哲
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原油反落。ドル指数の反発などで。69.47ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,018.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年09月限は12,225元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年06月限は490.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで954.95ドル(前日比3.95ドル縮小)、円建てで4,254円(前日比140円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月15日 12時57分頃 6番限)
8,799円/g
白金 4,545円/g
ゴム 209.8円/kg
とうもろこし 38,850円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「G7諸国の強さを確認」
前回は、「ロシアと中国は『8,100トン』を目指す?」として、主要国(中央銀行)の金(ゴールド)保有量などを確認しました。

今回は、「G7諸国の強さを確認」として、各国の各種データを確認します。

広島市で「G7」が開催されています。期間中、財務や環境などの部門ごとの当該国の担当者の会合や首脳同士の会合(サミット)などが行われます。

「G7(ジーセブン)」は、Group of Sevenの略称です。先進7カ国とも訳されます。米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、そして日本で構成されています。

議長国(持ち回り)がどこであるかによって、議題の方向性が変わる場合があります。今回、日本の広島市で開催されているのは、「核兵器廃絶」を世界に強く発信して、ウクライナに侵攻した上で、核兵器の利用をほのめかしているロシアをけん制する狙いがあると言われています。

その「G7」ですが、どのような国なのでしょうか。人口、GDP(経済の規模のものさしの一つ。国内総生産)、自由民主主義指数(※)、核弾頭の数、といった側面から見てみます。

※自由民主主義指数:ヨーテボリ大学(スウェーデン)のV-Dem研究所が公表。行政の抑制と均衡、市民の自由の尊重、法の支配、立法府と司法の独立性など、自由度や民主度をはかる複数の観点から計算され、0と1の間で決定。0に近ければ近いほど、非民主的な傾向が強い、1に近ければ近いほど、民主的な傾向が強いことを示す。

たった7カ国で世界のGDP(実質ベース)の43%を占めています。また、国民一人あたりのGDPは世界平均の2倍以上です。「先進国」と言われるゆえんがここにあります。また、自由民主主義指数は、非常に高い自由度・民主度を示しています。「豊かで民主的で自由な国」の集まり。それがG7だと言えるでしょう。まさに、世界のリーダーたちです。このリーダーたちの決定は、リーダーたちの考え方に賛同する国々の方針に大きな影響を与えます。

ただ、いくつか留意点があります。核弾頭の保有シェアが4割強である点です。G7の比率が高いことが留意点なのではなく、核廃絶に向けた話し合いをする国でない国(G7以外の国)が、半数以上を保有していることが留意点です。

また、人口が世界の1割にも満たないことも留意点です。民主的であることを謳う(うたう)以上、数が多いことが求められます。ピカピカな豊かな国の集まりというイメージを振りまく「G7」ですが、以下の図を見る限り、複数の留意点があります。

図:G7(Group of Seven)の各種データ
図:G7(Group of Seven)の各種データ

出所:国際連合、V-Dem研究所(スウェーデン)、米国科学者連盟の資料もとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。