サウジの9月の原油生産量を比較②(OPECのデータ追記)

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。ドルインデックスの下落などで。54.14ドル/バレル近辺で推移。

金反落。主要株価指数の上昇などで。1,499.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は11,610元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年11月限は458.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで594.65ドル(前日比2.3ドル縮小)、円建てで2,048円(前日比60円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(10月11日 14時44分頃 先限)
 5,178円/g 白金 3,130円/g 原油 37,200円/kl
ゴム 163.1円/kg とうもろこし 23,990円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「サウジの9月の原油生産量を比較②(OPECのデータ追記)」

前々回「サウジの9月の原油生産量を比較①」として、9月のサウジの原油生産量について、海外通信社2社、およびEIA(米エネルギー省)が公表した合計3つデータを比較しました。

9月14日(土)に起きたサウジドローン事件の影響を推定すべく、公表元の異なる3つのサウジの原油生産量のデータを比較した上で、JODI(共同機構データイニシアティブ)が公表したサウジの原油在庫が、それぞれのケースでどれくらい減少したのかを確認しました。

今回は「サウジの9月の原油生産量を比較②」として、昨日、OPEC(石油輸出国機構)が公表したサウジの9月の原油生産量のデータを追記して比較します。

以下の資料のとおり、OPECが公表したサウジの9月の原油生産量は日量856万4000バレルでした。

8月が日量984万4000バレルでしたので、前月比日量128万バレル減となりました。

これまで公表された3つのデータと比べれば、減少幅が極端に大きかったり、小さかったりするものではありませんでした。

生産減少に伴うサウジの原油在庫の取崩量は4824万バレルと推定されます。(日量984万4000バレル×31日分-日量856万4000バレル×30日分)

この値は、JODIが公表した7月のサウジの原油在庫である1億7979万6000バレルの26.8%にあたります。

4つのデータの平均は、サウジの原油生産量の変動率が-12.2%、推定される原油在庫の変動率が-25.5%です。

これまでのデータからは、サウジドローン事件が起きた9月のサウジの原油生産量はおよそ12%減少(8月比)、同原油在庫はおよそ25%減少(7月比)だったと言えそうです。

今晩、IEA(国際エネルギー機関)がサウジの9月の原油生産量を含む、月次レポートを公表します。引き続く注目したいと思います。

図:サウジの原油生産量と原油在庫の比較(筆者推定)
サウジの原油生産量と原油在庫の比較(筆者推定)

出所:主要海外通信社、EIA(米エネルギー省)、OPEC(石油輸出国機構)のデータをもとに筆者推定

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。