[Vol.1553] 誕生「BRICSプラス」!

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。80.28ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,941.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年01月限は13,205元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年10月限は637.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで995.55ドル(前日比3.85ドル拡大)、円建てで4,616円(前日比4円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月28日 18時20分時点 6番限)
9,009円/g
白金 4,393円/g
ゴム 215.0円/kg
とうもろこし 40,280円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「誕生『BRICSプラス』!」
前回は、「銀相場、超長期視点で価格上昇か」として、銀価格の推移(長期)について、書きました。

今回は、「誕生『BRICSプラス』!」として、BRICSプラスとG7の位置について、書きます。

8月22日から三日間にわたり、南アフリカ共和国の最大都市であるヨハネスブルグで、BRICS首脳会議が行われました。BRICS(ブリックス)は、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国(南ア)の頭文字(英語表記)をとった、比較的規模が大きい新興国のグループ名です。

毎年行われている首脳会談ですが、今年の同会談では、このグループに2024年1月から六カ国を加えるという、大きな決定がなされました。六カ国とは、アルゼンチン、イラン、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)です。一部では大きくなるBRICSを、BRICSプラス、拡大BRICSなどと呼びはじめています。(本レポートでは、OPECが拡大したあと(2016年)に浸透した「OPECプラス」にならい、「BRICSプラス」と呼びます)

2022年2月のウクライナ危機勃発以降、世界で枠組みの乱立・再編が続いている中での出来事でした。西側、非西側、あるいは第三国など、考え方の違いで成り立っている枠組み、北大西洋、環太平洋・インド洋、あるいは欧州とアジアを陸と海で結ぶ地域など、地理的条件で成り立っている枠組み、原油など特定の資源を輸出する国々で成り立っている枠組みなど、足元、枠組みは世界に多数存在します。特定の国の特定の品目を禁輸した国とそれにならう国たちもまた、呼称はないものの「枠組み」を形成していると言えるでしょう。

一緒になっていた方が安全・安心、仲良くしない方が身のため・リスク回避に適している、など、「枠組み」の乱立・再編には多数の国々の思惑が渦巻いています。今回のレポートで取り上げる「BRICSプラス」もまた、多くの思惑を抱えた枠組みの一つです。規模感が他の枠組みに比べて格段に大きいため、今後の動向に特に注意が必要です。

図:BRICSプラスとG7の位置
図:BRICSプラスとG7の位置

出所:map chartをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。