[Vol.1599] 「ウクライナ戦争」と同じ理由

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。81.62ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,994.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,200元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年12月限は649.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1053.9ドル(前日比3.20ドル縮小)、円建てで5,152円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月2日 17時17分時点 6番限)
9,600円/g
白金 4,448円/g
ゴム 258.0円/kg
とうもろこし 39,660円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『ウクライナ戦争』と同じ理由」
前回は、「国連安保理は政治思惑で機能不全」として、国連安全保障理事会の決議結果(2023年10月)を、確認しました。

今回は、「『ウクライナ戦争』と同じ理由」として、西側と非西側の分断深化が与える金(ゴールド)・原油相場への影響を、確認します。

筆者は、今回の戦争は以下の経路が一因(主因ではない)で起きたと考えています。このため、リーマンショック後に大きくなった西側と非西側の分断が解消するまで、イスラエル・ガザ戦争(ウクライナ戦争も)は続く可能性があると考えています。

分断が長引けば、また別の戦争が世界のどこかで起きたり、金(ゴールド)や原油相場に上昇圧力がかかり続けたりする可能性があるとみています(別文脈の強い下落圧力がかかった場合は短中期的に下落することもある)。

また、インフレ(物価高)が長期化する可能性があります。西側と非西側の分断が各種コモディティ相場に上昇圧力をかけているというアイデアを持ち、各種市場(コモディティだけでなく、株式や通貨、金利なども)を観察することが非常に重要だと、考えます。

図:西側と非西側の分断深化が与える金(ゴールド)・原油相場への影響
図:西側と非西側の分断深化が与える金(ゴールド)・原油相場への影響

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。