[Vol.1619] 金(ゴールド)価格は史上最高値を更新

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。73.47ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反発などで。2,090.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年05月限は13,480元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年01月限は553.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1158.95ドル(前日比5.35ドル拡大)、円建てで5,459円(前日比26円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月4日 16時32分時点 6番限)
9,788円/g
白金 4,329円/g
ゴム 249.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金(ゴールド)価格は史上最高値を更新」
前回は、「およそ20の具体的な関連銘柄」として、新NISAで利用できる金(ゴールド)商品の具体例(2023年11月27日時点)を述べました。

今回は、「金(ゴールド)価格は史上最高値を更新」として、ドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移(過去およそ半世紀)を確認します。

足元、国内外の金(ゴールド)市場で史上最高値更新が相次いでいます。以下の図のとおり現物市場は騰勢を強め、先物価格もNY市場は2100ドル台、大阪市場は10000円の大台に達しました。

史上最高値ゆえ、先人がその急騰劇を「有事の金(きん)」と呼んだ1970年代後半よりも、リーマンショック後の米国の大規模な金融緩和をきっかけに急騰した2010年前後よりも、新型コロナとそれがもたらす不安が世界に蔓延した2020年夏よりも、ロシアがウクライナに軍事侵攻をしかけて急騰した2022年3月よりも、足元の価格は高くなっています。

なぜこのような高い水準に達したのでしょうか。今後どのような値動きを演じるのでしょうか。上図内の右下に記したとおり、現在は「材料複合化時代」です。有事だけ、株との関係だけ、ドルとの関係だけ、などどれか一つの材料で値動きを説明できるような簡単な相場ではないことを、前提に置く必要があります。

そうすることによってはじめて、先ほどの問いである、なぜこのような高い水準に達したのか、今後どのような値動きを演じるのか、に答えを出すことができます。簡単ではないと申し上げましたが、決して難解ではありません。次回以降の数回を、一度、金(ゴールド)相場の値動きに対するお考えをフラットな(先入観のない)状態にして読み進めてください。

図:ドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移(過去およそ半世紀)
図:ドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移(過去およそ半世紀)

出所:LBMAおよび国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。