40歳で純金積立を行った場合

著者:近藤 雅世
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 下の表は、25年前に純金積立を月間1万円、2万円、3万円、4万円行い、積立てた金を今年の10月30日に売却した場合の計算結果である。

 これによると、月額1万円を過去25年間行い、それを昨年末で停止して、積み立てた金を10月30日に売却したと仮定すると、(実際には10月29日まで積立しているはずであるが、計算の便宜上昨年末までの積立で計算した)25年間の購入金量は1554.1グラムとなる。これを10月30日の田中貴金属の金買取価格5,669円で売却すると886万6,970円となっていた。

 金を売却した場合の税金は確定申告により、長期保有と短期保有があり、50万円の控除を差し引き後、他の収入と合算して雑所得として申告するが、他の所得は給与所得や年金など様々なので、国税庁による金融類似商品の源泉徴収課税20.315%の所得税がかかるとして計算すると、元本を除いた部分に対して、119万1,175円が所得税となる。従って、売却金額886万6,970円から税金の▲119万1,175円を差し引くと、767万5,095円が手取りの売却代金となる。

 同様に、月2万円の純金積立を過去5年間行ってきた場合、1,535万190円の手取り売却代金となり、月3万円であれば2,302万5,284円、月4万円なら3,070万379円となっている。月4万円と言っても年間48万円なので、ボーナスを併用して、例えば月1万円で、ボーナス月のみ18万円積み立ててもほぼ同じ効果となると思われる。

 つまり、40歳の頃から純金積立を年間48万円行っていれば、金価格が値上がりして、65歳の定年時には3,070万円の金を保有していたことになる。

 ちなみに、現在の積立預金金利は年利0.2%なので、それを今後25年行うとすると、毎月4万円ずつ積み立てても1,224万円にしかなっていない。この場合の元本は1,200万円で、金利は30万4,704円、税金が▲6万1,915円であった。
 

 

 

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。
アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。
2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。
毎週月曜日週刊ゴールド、火曜日週刊経済指標、水曜日週刊穀物、木曜日週刊原油、金曜日週刊テクニカル分析と週間展望、月二回のコメを執筆。
毎週月曜日夜8時YouTubeの「Gold TV Net」で金と原油について動画で解説中(月一回は小針秀夫氏)。
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