[Vol.1678] 株価指数と金(ゴールド)価格が急騰

著者:吉田 哲
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原油反発。OPECプラスの自主減産延長観測などで。80.14ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,092.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年05月限は13,850元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年04月限は619.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1195.8ドル(前日比11.90ドル縮小)、円建てで5,746円(前日比15円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月4日 17時49分時点 6番限)
10,076円/g
白金 4,330円/g
ゴム 301.9円/kg
とうもろこし 37,000円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「株価指数と金(ゴールド)価格が急騰」
前回は、「分断起因の産油国減産が原油相場を支える」として、リーマンショック起点の世界的なリスク拡大と原油高止まりの同時進行(筆者イメージ)について述べました。

今回は、「株価指数と金(ゴールド)価格が急騰」として、国内の株と金(ゴールド)の価格推移(1974年の年初を100)について述べます。

国内外で株価指数と金(ゴールド)の価格が急騰状態にあります。3月4日、国内では株と金(ゴールド)がそろって史上最高値更新と大台達成を成し遂げました。日経平均株価が初めて4万円の大台に達し、国内大手地金商が提示する円建ての金(ゴールド)の税抜き価格が初めて1万円(1グラムあたり)の大台に到達しました。同日午前中、大阪の金(ゴールド)先物価格も1万円を上回る高値水準で推移しました。

以下の通り、およそ半世紀の値動きを振り返ると、日経平均株価も円建て金(ゴールド)価格も、2010年ごろから10年以上にわたり、上昇し続けていることがわかります。この長期視点の上昇トレンドの流れが、今回の史上最高値更新と大台達成の大きな原動力になったと言えます。

海外でも株価指数と金(ゴールド)価格が騰勢を強めています。米国の主要株価指数の一つであるS&P500指数は、2月に5000ポイントに達して史上最高値更新と大台達成を成し遂げました。その後も上昇を続け、3月に5100ポイントという節目に達して史上最高値を更新しました。各種ドル建て金(ゴールド)価格は足元、2100ドル(1トロイオンスあたり)という史上最高値水準で推移しています。(レポート執筆時点)

海外も国内と同様、2010年ごろから上昇が続いています。ドル建て金(ゴールド)の上昇トレンドはS&P500ほどではないものの、それでも長期視点で上値を切り上げる動きが続いています。

2010年ごろ・・・これは、長期視点の株と金(ゴールド)の値動きを分析する上で、大きな意味のあるタイミングです。しばしば、株と金(ゴールド)の値動きは逆になる(逆相関)と言われますが、2010年ごろ以降は、ともに上昇してきました。2010年ごろ、世界で何が起きたのでしょうか。

図:国内の株と金(ゴールド)の価格推移(1974年の年初を100)
図:国内の株と金(ゴールド)の価格推移(1974年の年初を100)

出所:国内大手地金商およびQUICKのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。