[Vol.1679] 2010年ごろは世界分断の発生・深化の起点

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。78.79ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,128.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年05月限は13,780元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年04月限は610.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1233ドル(前日比11.00ドル拡大)、円建てで5,938円(前日比11円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月5日 17時47分時点 6番限)
10,259円/g
白金 4,321円/g
ゴム 299.2円/kg
とうもろこし 36,770円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「2010年ごろは世界分断の発生・深化の起点」
前回は、「株価指数と金(ゴールド)価格が急騰」として、国内の株と金(ゴールド)の価格推移(1974年の年初を100)について述べました。

今回は、「2010年ごろは世界分断の発生・深化の起点」として、自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1945~2022年)について述べます。

V-Dem研究所(スウェーデン)は毎年、各国の民主主義に関する数値を公表しています。同所は長年、選挙制、自由主義、参加型、熟議型、平等主義の各分野の民主主義の度合いを数値化する活動を続けています。V-Demは、Varieties(多様な)Democracy(民主主義)の意味です。

「自由民主主義指数」は彼らが公表する数値の一つです。同指数は0と1の間で決定し、0に近ければ近いほど民主的な度合いが低く、1に近ければ近いほど民主的な度合いが高いことを示します。

同指数が0.4以下の比較的民主的な度合いが低い国の数と0.6以上の比較的民主的な度合いが高い国の数の推移を見ると、以下の図の通り、2010年ごろからそれまで減少してきた前者が増加に転じ、増加してきた後者が減少に転じたことが分かります。

世界では、民主主義を正義と疑わない西側諸国と同じ考えを持つ国の数が減り、反対の考えを持つ国の数が増えていることがうかがえます。2010年ごろ、西側と非西側の間に分断が出現し、その後その分断が深まったことを、自由民主主義指数の推移は示しています。

図:自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1945~2022年)
図:自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1945~2022年)

出所:V-Dem研究所のデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。