金とビットコイン共に、利喰いこなしながら歴史的な上昇継続

著者:菊川 弘之
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 2月28日からブラジル・サンパウロで始まったG20財務相・中央銀行総裁会議で、ロシアの凍結資産(外貨準備)約3000億ドル(45兆円)をウクライナ支援に転用することの是非が話し合われたが、元欧州中央銀行(ECB)専務理事でイタリア中銀のファビオ・パネッタ総裁が述べたように、「通貨システムを兵器のように扱うことは絶大な効果が期待できる一方、ドル離れやユーロ離れを誘発するもろ刃の剣となり、代替通貨の出現を促す」。

 この基軸通貨ドルの揺らぎは、金やビットコインにとって強気要因となって、現在の強い上昇トレンドの一因となっている。世界の中銀による金の純購入(購入から売却を引いた値)は22年に約1082トンと1950年以降で最高となり、23年も約1037トンと高水準が続いている。

 足元では、ビットコインの堅調が目立つが、過去、金価格を上回るとビットコインは調整を見せている。今回のビットコインの騰勢も、価格逆転場面では一服するかもしれない。ドルの代替は金ではなくビットコインと言う見方が一般化すれば、金価格がビットコインの下値支持に変化する可能性はあるものの、現段階でそのシナリオは時期尚早であろう。価格逆転場面は、ポジション調整が出て、その後、金の上昇をビットコインが追いかけながら、両者ともに水準を切り上がる流れが続きそうだ。

ドル建て金とビットコイン

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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