金とビットコイン共に、利喰いこなしながら歴史的な上昇継続

著者:菊川 弘之
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 米金利引き下げ観測が後退し、ドル高になったことが金相場の上値を抑えたのに対して、ビットコインは、現物を背景としたETF上場承認や、半減期などを追い風に、資金が急速に流入し、年初は金とビットコインは逆相関の動きを見せた。

 過去、金相場も米国に金ETFが上場して以降、投信の形になったことで、これまで金に投資したくても規制等の理由で参加できなかった年金などの機関投資家の多くが参入できるようになった。特に、現物の裏付けを取る金ETFに関しては、金ETFが買い付けられると、同量の金を買い付け、それを倉庫にしまい込んでしまうことから、直接的な需要が生まれた格好になり、価格水準押し上げの一因となった。

 金ETF残高は年間の鉱山生産量(3000トン強)を上回り、米国に次ぐ中央銀行(保有量)が、新たにできたような効果となり、金の値位置を大きく引き上げた。

 今回のビットコインの現物を背景としたETF上場も同様の効果が期待されている。

 更に、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を担う国際組織である金融活動作業部会(FATF)は仮想通貨交換業者に対し、契約者の本人確認だけでなく、送金先の交換業者にも顧客情報を共有する「トラベルルール」を課しているが、適用されるのは法整備が進んだ世界21ヶ国・地域だけでロシアなどは対象外。米国によるロシアへの金融制裁が、皮肉なことにドル離れを招き、監視の目が届かない資金が飛び交う場を大きくしたとも言えよう。

ビットコイン価格は過去の「半減期」後、大きく上昇した
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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