ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~20トン。5月16日の価格はキロあたり74.08~76.88バーツ、RSS号タイ主要港6月積価格は224.0~226.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、4月30日時点12,667トン(前旬比66トン減)。

 4月下旬の入出庫は入庫644トン、出庫730トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅続伸、週明けから上海ゴムが上昇に転じると中国長期債発行や当局による住宅買取方針を含む景気対策への期待もあってか週間を通じて上昇基調を維持する中、OSEゴムにも大口の買い気が散見され週初の安値から切返すと、中心限月は一時330.0円まで上昇する場面があった。株式は世界的に上昇、米小売り指標の鈍化を受けた利下げ前倒し観測の高まりと米金利低下を好感したか。商品は貴金属が続伸、原油は反発と商品全般が強含む展開、ドル円は一時円高に振れるもその後は円じり安となり155円台後半での値動きとなっている。

 5月17日引け時点のRSS10月限(中心限月)は322.0円、TSR8月限(中心限月)は264.0円。週の高値はRSS330.0円/TSR264.0円、週の安値はRSS303.9円/TSR256.0円。

 現物価格は350円程まで急伸、出物が少ない中で先物価格に連動し値が切り上がった。上海ゴムは在庫増加も経済対策と景気底入れへの期待が勝っており目先は一段の上振れに警戒が必要か。国内市場は全体の価格が上昇する中で、逆鞘解消が進み当先は順鞘1.7円程と先限は買われる一方で期近は手仕舞い・乗換売りが見受けられた。今週のOSEゴムは上海ゴム上昇をうけて流動性が少ない分相対的に上げ幅が大きくなり想定水準を上抜けたが、産地対比でみれば割安感は増しており取引難易度が高い状況、来週は上海ゴム動向に注意を払いながら改めて価格レンジを設定し、その上で取引を進めたい。中心限月は310.0~335.0円を予想する。


出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp