OPEC減産実施11カ国を、8カ国と3カ国に分ける意味

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。57.00ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの上昇などで。1,465.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は12,010元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。19年12月限は452.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで583.85ドル(前日比6.25ドル縮小)、円建てで2,024円(前日比25円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(11月15日 大引け 先限)
 5,101円/g 白金 3,077円/g 原油 38,750円/kl
ゴム 182.3円/kg とうもろこし 22,800円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「OPEC減産実施11カ国を、8カ国と3カ国に分ける意味」

今回は「OPEC減産実施11カ国を、8カ国と3カ国に分ける意味」として、OPECが11月14日に公表した月報から、OPEC加盟国の減産を実施している11カ国について書きます。

タイトルのとおり、この11カ国を、8カ国と3カ国に分けます。

8カ国とは、サウジ、イラク、クウェート、UAE、アルジェリア、アンゴラ、ガボン、エクアドルです。

この8カ国は、2017年1月以降、ほぼ丸3年間、(順守・非順守を別として)減産を継続して実施してきた国です。減産の“レギュラーメンバー”と言えます。

3カ国とは、途中で減産に参加した、あるいは途中で減産免除国となったなど、部分的に減産を実施している、いわば“準メンバー”です。

準メンバーの大きな入れ替えが決まったのは、2018年12月でした。

同月のOPEC総会で、カタールのOPEC脱退が承認され、イランとベネズエラが減産免除国となって準メンバーから外れ、生産枠が正式に与えられたコンゴと赤道ギニア、ナイジェリアが準メンバーになりました。

以下のグラフのとおり、2019年1月以降、OPECで減産に参加する11カ国の原油生産量が大きく減少、かつ生産量の上限が引き下がり、減産を順守しているうように見えます。

これは、準メンバーの入れ替えが主因と考えられます。

準メンバーでなくなったカタール、イラン、ベネズエラの2018年12月の生産量の合計は日量449万バレル、準メンバーとなったコンゴと赤道ギニア、ナイジェリアの2019年1月の生産量の合計は日量216万バレルでした。

差し引きした日量233万バレルは、11カ国全体の減少分の76%にあたります。

2019年12月の総会でも、来年4月以降の減産について、レギュラー、準メンバー問わず、入れ替えがあることが予想され、今後もどの国が減産に参加し、どの国が減産に参加していないか、その都度、確認する必要があります。

図:OPEC加盟国で減産に参加する11カ国の原油生産量の合計
単位:千バレル/日量
OPEC加盟国で減産に参加する11カ国の原油生産量の合計

出所:OPECのデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。