[Vol.1789] 欧米株価指数は悲観論を反映しやすくなった

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。78.36ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,510.00ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年01月限は15,805元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年09月限は574.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1563.25ドル(前日比1.35ドル拡大)、円建てで7,278円(前日比8円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月14日 18時57分時点 6番限)
11,725円/g
白金 4,447円/g
ゴム 322.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「欧米株価指数は悲観論を反映しやすくなった」
前回は、「日経平均株価の記録的な下落・上昇率を確認」として、日経平均の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)を確認しました。

今回は、「欧米株価指数は悲観論を反映しやすくなった」として、S&P500の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)を確認します。

以下は2000年以降の米国の主要株価指数の一つである「S&P500種指数」における、その年の最大上昇率と最大下落率(日次終値ベース)です。日経平均と同様、2008年のリーマンショックの直後にその年の最大上昇率と下落率を記録しました。

この年の最大上昇率はS&P500が11.5%と10%を超えました(前回述べた日経平均と同様)。また、この年の最大下落率はS&P500が9.0%となりました。

リーマンショックが発生した2008年と、コロナショックが発生した2020年を比較すると、最大上昇率がS&P500(11.5%→9.3%)と、低下しました。そして、最大下落率がS&P500(9.0%→11.9%)と、上昇しました。

最大上昇率の低下は楽観的になりにくくなっていることを、最大下落率の上昇は悲観的になりやすくなっていることを示唆します。リーマンショック後、米国の株式市場においては悲観的な要素を取り入れやすくなったと考えられます。

図:S&P500の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)
図:S&P500の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)
出所:ブルームバーグなどのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。